会計士になって監査法人で働くことを考える上で一番重要なのが年収・給料。
この業界、給与が一般の事業会社の社員に比べて、若いうちから比較的多くもらえるという特徴があります。
今回は、監査法人のリアルな年収についての話をしていきますので日本の会計士(JCPA)とUSCPAの両方を対象にしています。
監査法人では20代で年収1000万円は現実的な目標
自分も30歳でUSCPAに合格してこの業界に転職した身ですが、1年目からありがたいくらいの年収をもらいました。
まあ、その前の給料が安かったというのがありますが・・・。
大学卒業して在学中とかに試験に合格して、新卒で監査法人に入所した人たちからしたらすごい金額を1年目からもらっている印象なんじゃないでしょうか。
初任給は通常の事業会社の2倍近くもらえる監査法人もありますし。
なので、監査法人では入所して8年ほどでマネージャーになるころには900万円近くもらえるという話もききます。
ここはうちの現場のマネージャーに直接聞いてみたいところですけど。
新卒で入所したら、30歳で年収900万って、結構すごいですよね。。
でも、よく聞くのはマネージャーになった後は昇給が頭打ちになってしまうということです。
これは実際どんなもんなのかはわからないですが、マネージャーに昇格すると残業代は一切なくなるので、年収1000万円を超えるのはシニアマネージャーになってからぐらいじゃないでしょうか。
まあ、シニアマネージャーになると死ぬほどきつい業務が待っているので、年収1000万円じゃ割に合わないと感じる人も多いと聞きますが。
そこは「パートナーへの昇格」という人参を目の前に必死で頑張っているんでしょうね。
パートナーになると一気に年収は増えそうですし。
ただ、マネージャーになる前に年収1000万円プレーヤーになることは可能です。
それは、マネージャーになる一歩手前、ようするにシニアスタッフ3~4年目くらいが実は一番給与面では割がよかったりします。
シニアスタッフだと残業代がつく役職なので、自分が所属していた金融部では忙しい代わりに残業代はほぼ青天井でつきます。
シニアスタッフ3年目とかだと、基本の給与も高い上に、毎日遅くまで残業することになるので残業代も半端ない額がもらえたりします。
なので、マネージャーになった途端に実質の年収がグーンと落ちるというケースが発生するわけです。
そんなわけなので、できることならマネージャーにならずにシニアスタッフでずっととどまってるほうが実質的に高い給与をもらうことができたりもするわけです。
まあ、ずっとシニアスタッフで留まっていられるのかはわかりませんが。
ただ、監査法人はやはり若いうちの給与は良いですが、生涯年収で考えると商社とか銀行とかの方が割がいいという話もよくききます。
ここは、パートナーになれるかどうかで完全に分かれますね。
まあ、後は監査法人は基本的に保養所とか住宅手当とかの余計な福利厚生がないので、給与が高く設定されているんでしょうね。
マネジャーになってからは年収が頭打ちになる傾向がありますけど、やはり若いうちから高い報酬がもらえる監査法人というのは給与面では魅力的なのは間違いないと思います。
それに、生涯監査法人で働き続けるという人も少ないですからね~。
監査法人はBIG4ではUSCPAも日本の会計士も同じ待遇
監査法人で働く人の年収についてもう少し体系的に語ります。
Big4で働く場合を前提にしていますが、その年の景気によってもこの業界左右されやすいので目安としてさらに読んでいただければと思います。
まず、監査法人に入所すると、JCPAもUSCPAも年収はほぼ一緒です。
監査法人の役職としては、スタッフ、シニアスタッフ、マネージャー、シニアマネージャー、そしてパートナーの5つに分かれることになります。
ここでは最速で年収1000万円を達成するためのスタッフとシニアスタッフの年収について主に考えてみます。
通常、スタッフとシニアスタッフはそれぞれ4年ずつ経験して次の役職へ昇格するのが監査法人の暗黙の了解です。
もちろん、その人の優秀さによって稀に飛び級で3年でシニアスタッフへ昇格したり、逆に評価が低すぎてシニアスタッフを5年以上続けている人もいますが、基本は4年が一区切りと考えていいと思います。
ます、入所して1年目の年収はボーナス込みで480万円~550万円です。
ただ、550万円スタートというのは監査法人バブルや景気がすごくよかった時の話なので、現在ですと480万円~500万円くらいからスタートという感じの法人が多いと思います。
残業代は別途つきます(ジョブにもよりますが)。
そしてスタッフ2年目、3年目、4年目になっていくにつれてベースの年収が徐々にアップしていきます。
スタッフ4年目になると、恐らく年収が550万円~600万円くらいになっているのではないでしょうか。
ちなみに、自分の場合は中堅監査法人から転職してきたために年次がちょっと中途半端な状態からスタートしたので、今回のモデル年収には当てはまっていないので参考になりません。
そして、スタッフ4年目を終えてシニアスタッフ1年目に昇格するときは、年収の上げ幅が比較的大きくなります。
役職が上がったんですから、ある意味当然っちゃ当然ですよね。
そして、シニアスタッフも1年目、2年目、3年目になるにつれて徐々に年収がアップしていって、恐らくマネージャーになる一歩手前のシニアスタッフ3~4年目では年収は700~750万円は行きます。
この時点で入所してから7~8年目ということになりますね。
入社して7~8年目でこの年収なら悪くはないんじゃないでしょうか。
そして、ここまでの話は残業代を一切考慮に入れてない場合のモデル年収を推定しました。
忙しい金融部や国際部は月60時間~100時間の残業は当たり前のようにあるので、この残業代をちゃんとつけることができれば、シニアスタッフの時点で年収1000万円は確実に超えることになりますね。
しかも、年次が上がるにつれて基本の年収だけでなく残業代の単価も上がっていきますからね。
なので、もし若い新卒に近い年齢で監査法人に入所した場合、30歳手前の28~29歳くらいで年収1000万円という大台を達成することになりますね~。
年収1000万円プレーヤーというのは、日本人の人口の5%未満という話を聞きますが監査法人なら可能です。
サラリーマンなら多くの人が目標であり一種の憧れでもある年収1000万円は、監査法人に入所して7年ほど頑張れば達成できる可能性が高いのです。
ただ、残業代がちゃんとつけられるジョブならですけどね。
これはそのクライアントを担当しないとなんとも言えませんが、国際部や金融部ならほぼちゃんとつくでしょう。
その代わり馬車馬のように働く必要がありますが。
しかしながら、この20代で年収1000万円というのは残業代ありきのものであるため、2~3年の期間限定になると思います。
それは、マネージャーになると基本給がアップする代わりに残業代が一切つかなくなるからです。
なので、シニアスタッフ3~4年目で実質年収1000万円を堪能して、その後マネージャーになった瞬間に900万円くらいに落ち着くというパターンになると思います。
たぶんただのマネージャーでは年収1000万円には惜しくも届かないでしょう(ボーナスが良ければいきます)。
なので、シニアスタッフで年収1000万円を達成したあとは、本当の意味での残業代なしの1000万円プレーヤーになるのはシニアマネージャーになるまでお預けということになりますね~。
それでも、早い段階で一定期間とはいえ憧れの大台を達成できるというのは、まさにアメリカンドリーム、いや、監査法人ドリームともいえるのではないでしょうか。
自分がいたところでは残業代をフルチャージできていたので、いずれはこんな監査法人ドリームを達成できる日が来るのでしょうかね。
入社してから5年ほどたったら辞めようと思っていても、そのころにはシニアスタッフ3~4年目くらいになっているため、もはや甘い蜜に完全に誘惑されて辞められないカラダになっている人もいるのかもしれません。
金、金、金の話ですが、会社員として働く一番のモチベーションはやっぱり金銭だと思っています。
その会社で働くことによってどのくらいお金がもらえるのかを重視するのは当然だと思っていますので、金がすべてではないですが激しく重要なファクターであることは間違いないです。
監査法人の初年度の年収や給料はどうなっているの?
「初任給半端ねえ~~~!」
この業界、若いうちから比較的高い給料をもらえるという話しをしましたが、特に印象的なのは「普通の事業会社に比べて1年目の新人の年収が相当高い」ということです。
中でも、初任給をもらったときはかなり感動した記憶があります。
その時はUSCPAに合格して、なんとか入れた中堅監査法人で1か月経って給与明細を見てその数字に驚きと興奮を隠せなかったのを今でも覚えています(笑)
特に、自分の場合は前職が年収300万円に満たない身分だったため、この初給料の額を見て「俺、超金持ち~!」なんてはしゃいでました(笑)
ただ、自分がいた法人は残業代一切でない代わりに年収が比較的高めに設定されていたわけですが。
この1年目の年収というのは、法人によっても違いますけど確実に多くの事業会社に比べて1.5倍~2倍くらいの差があるんじゃないでしょうか。
自分の場合は前職から比べて、自分の給料が1.5倍になりましたね。
通常の事業会社だと正社員の新卒初任給って、大体19万~21万円くらいだと思うんですけど、監査法人の場合は30万~40万円(残業代、ボーナス別)くらいのところが多いです。
これも年によって変わったりしますが、人手不足の超売手市場だったころは、1年目の年棒が550万円(残業代別)からスタートなんていう、投資銀行なみの新卒年棒なんて時もありました。
ちなみに、外資系の投資銀行は普通は新卒1年目は年収600万円(この時点でもうすごいw)で、さらにボーナスが数百万とつくので、上記の550万円というのはボーナスも含めた金額なので実際は投資銀行には遠く及ばないですが・・(羨ましいが、怖い・・)。
でも、今は特に売手でも買手市場でもないっぽいのでさすがに550万円からスタートっていう監査法人はあまりないかもしれませんね。
なので、若いうちにJCPAやUSCPAに受かって監査法人に入所した人は、自分のように初任給に感動を覚える人も多いと思います。
それだけ難関の資格を頑張って合格した役得とでもいうんでしょうかね。
USCPAとJCPAでもあまり給与の額は変わらないのでご安心を。
中堅監査法人時代は、ちょっとJCPAの同期の人たちと比べて若干差がありましたが、BIG4ではUSCPAもJCPAと同じ給与水準なので、給与に差がつくのが心配なのであれば、是非ともBIG4の門をくぐってください!
まあ、この業界の年収はタイミングで決まるので、あとは運しだいですね。
受験勉強をされている方は、売り手市場で入所できることを祈りながら頑張ってください!
監査法人の年収を大手と中堅で比較
監査法人の給料を大手同士や中堅と比較するとどうでしょうか。
これ結論から言うと、大手同士ではあまり大差はありません。
新日本、トーマツ、あずさ、あらたのBIG4で大きな違いはないでしょう。
もちろん、部門や時代によっては異なってくることもありますが、長い目で見ると全体的に横一線という感じです。
これが中堅監査法人との比較という点で比較すると若干異なってきます。
全体的には、大手と中堅では給料が10%~15%ほど違うところが多いです。
これも中堅監査法人によって個性があるので一概には言えませんが、やはり体制としてはBIG4の方が充実している傾向があるので給与の上がり幅も大手に比べて中堅の方が抑えめかと。
業界全体が厳しくなると、やはり大手よりもダメージが大きいのが中堅ですからね。
コスパがよく安定性は高い給与なのが会計士の強み
会計士は他の超難関資格よりも、取得コストが低く就職もしやすい。
そして、業界内で生き残れる可能性も高いため安定してそれなりの(1000万円ぐらい)年収を頂戴できるのがやはり強いです。
安定した地位で仕事をしながら、さらなるキャリアアップを狙いやすいのは会計士ぐらいではないでしょうか。
日本の会計士もUSCPAでも、とりあえず目指したいものがないほどなっておいた方が良い職業だと自分は思っています。
飽きても貴重価値の高い経験を武器にして転職すればいいですからね。