監査法人で働いている人や、これから会計士を目指す人の両方に関係する話です。
大手の法人は、人数やクライアントがとてつもなく多いので「監査事業部」をいくつかわけて運営しているわけです。
といっても別に業界別に分けられているわけではなく昔からの慣習とか合併の名残で「監査1部とか2部」とかになっているんですけどね。
でも、その中でも異色と言われており働く先として人気なのが「金融部」と「国際事業部」。
今回は、金融部と国際部に焦点をあててそこに所属するメリットとデメリットを紹介しましょう。
金融部は、銀行や証券・保険会社など巨大企業の監査ができる
さて、金融機関の監査をする部門というのは他の事業会社と違うために「金融部」として金融機関のみをクライアントにしています。
ここでいう、金融部で働くことのメリットや良いところとはなんでしょう?
・金融機関はどこも大規模なので日本や世界を代表する銀行や証券会社の監査ができる
・なんだかんだ言って、お金の流れを作る金融は花形の分野なので法人内でもブランド力がある
・数年勤務したあとに、高収入の外資系金融のフロント(IBD)やバックオフィス(財務・経理)への転職がしやすい
・銀行の監査にアサインされると自己査定監査に携われるのでアナリスト的な経験ができる
やっぱり、会計士の間でも「金融監査は花形」という意識が多くの人にはあるみたいで実際に自分も金融部で働いていた時は「ビッグ4の巨大な金融機関の大規模監査チームの一人として働いている・・ウットリ・・(笑)」
なんていう、勝手な自己満足感に浸ってましたよ。
まあ、忙しかったのでそんなことはたまにしか頭になかったですけどね(笑)
あとは、やはり金融監査を経験した会計士はその後のキャリア形成として「外資や日系の金融機関へ転職しやすい」ということですね。
やはり事業会社に比べて特殊な金融業界は同じ監査法人出身者でも金融部にいた人の方が特殊な経理や財務のことをわかっているので高収入で転職できる可能性が高いわけです。
また、外資系金融機関なら監査法人よりも1.5倍~2倍は違う高い年棒でオファーが来る可能性があります(投資銀行業務とか)。
なので、メリットは花形でビッグクライアントを相手にできるのと高収入の金融機関に転職しやすいということですね。
普通の事業会社の監査とは違うので、経理とかに転職する際はちょっと苦労するかも
ただ、そんな花形金融部ですがずっとそこで勤務し続けたり金融機関への転職を狙っているのならいいですが普通の事業会社の経理や財務などに転職をすると最初はちょっとかってが違って大変かもしれないです。
なぜかというと、金融機関の財務諸表に表示されている科目名や性質が結構な部分で普通の事業会社のそれとは異なっているんですよね。
例えば、事業会社のPLは売上から始まって売上原価があって粗利という表示になっていますよね。
でも、銀行とかのPLだとまず「経常収益」という表示がありその中でも細かく貸出金利息、コールローン利息、買現先利息・・・という感じの細かい利益で経常収益が計上されて経常費用も同じくコールマネー利息・・・といった感じで「全然違う!」と中堅監査法人から転職をした際に驚きました(まあ予め科目が違うというのは知っていましたが)。
だから、監査法人で金融監査だけしかしてこなかった人が普通の事業会社で経理や財務実務をするとちょっと戸惑うかもしれませんね。
まあ、売り上げと費用があってそれで利益が算出されるという大原則は変わらないので慣れの問題ですがね。
国際部は、国際的な大企業を相手にして英語と日本語を駆使する刺激ある場所
さて次は、花形度としては金融部に劣らないとも言われている国際部。
今や、海外に進出していたり海外から日本に進出している企業も山ほどあるので海外の提携監査法人とコンタクトをとりながらJGAAPやUSGAAP、IFRSの監査業務をすることになります。
ここは、大手の商社を筆頭に巨大な企業が海外事業に絡んでいることが多いのでやはり大規模クライアントを担当することになるでしょう。
また、外資系の日本支社などの監査も対応することもあるので英語を使う機会という面では一番成長できます。
スタッフには、帰国子女や留学経験者が当たり前にいたりしますし留学経験がなくてもTOEIC900点以上を持っている人もざらにいると聞きます。
英語で国際監査業務に忙殺されながら、国内事業部より早く成長できるのが魅力ですね。
海外との時差も考慮しながらの勤務になるので、終電帰りとかは覚悟しとけい!
上記のように、国際部というからにはやはり英語の資料は当たり前でテレカンファレンスも日常的に行われたりします。
前の監査法人では、海外案件をよくやらされていたものですが大変でしたけどすごく良い経験になりました。
国内事業部での監査では到底できないような一生に一度しか味わえないような体験などもしました。
でも、ビッグ4の国際部は特に忙しいので終電近くまで仕事して相当きついのも事実です。
なにせ、時差のせいでイレギュラーな時間に会社にいなきゃいけない時とかありますからね。
でも、他の会計士より英語で差をつけたくて2倍速く成長して会計士としての市場価値を高めたいなら最高です。