「USCPAとUSCMAって何が違うの?」
「どっちの資格を取得した方が有利になる?」
両方とも名称が似ていることもあり、どっちの資格を取得した方が良いか迷う人もいますよね。
今回は、USCPAとUSCMAの違いを様々な観点から比較しながらどちらを取得するべきか解説していきます。
USCMAとは?
USCMAとは「米国公認管理会計士」のことで、財務計画や分析など管理会計のスペシャリストとして認定される国際資格です。
日本では会計というと「財務会計」が真っ先に認識されることが多いですが、社内の意思決定を支える管理会計の重要性はアメリカの方が進んでいます。
そのため、アメリカにおいてはUSCPAとならぶ二大会計資格として認識されており就職や転職などでも応募条件に「CPAもしくはCMA」となっている事も多いです。
日本では管理会計の専門性を認定する資格というのはないため、管理会計が重視されている現代ではUSCMAの必要性が今後さらに上がってくるでしょう。
USCPAとUSCMAの違いを比較
ではUSCPAとUSCMAの具体的な違いはなんでしょうか?
ここでは、様々な角度から両方の資格を比較していきます。
受験資格/4-1
まず受験資格ですが、USCPAとUSCMAでは以下のようになっています。
USCPA:大学卒もしくは卒業見込みで一定の単位を取得(州による)
USCMA:大学卒もしくは卒業見込み
比較すると、USCMAの方が受験資格はゆるくなっていますね。
両方とも大学卒か在学中に受験は可能ですが、USCPAの場合は州によって一定の指定された単位を取得しなければなりません。
対して、USCMAの方は学部や取得単位を全く問わないため学歴要件だけを満たせば受験が可能です。
試験制度/5-0
次に、試験制度について両方の資格を比較してみましょう。
USCPA
・科目:コア3科目と選択科目1科目の計4科目
・出題形式:MC問題(4択)とTBS問題(シミュレーション)
・受験日:ほぼ自由に設定可能
・試験方式:CBT(テストセンターのPCで受験)
・合格判定:各科目75点以上
USCMA
・科目:2科目
・出題形式:MC問題(4択)と記述問題
・受験日:1~2月、5~6月、9~10月
・試験方式:CBT(テストセンターのPCで受験)
・合格判定:各科目500点中360点以上
ざっくり比較しただけでも、USCPAとUSCMAの試験制度は結構似ていますね。
ただUSCMAの方がUSCPAより2科目少なく、記述問題に解答する必要があります。
USCMAの方が財務戦略や管理会計などに特化しているため科目数が少ないという特徴があります。
両方とも東京と大阪のテストセンターで受験可能ですが、受験日に関してはUSCPAの方が融通は利くようになっています。
USCMAの方が受験日は特定の期間に限られている事がわかります。
合格点については、USCMAの方は500点満点に対して360点となっています。
割合としては72%以上を満たすことで合格なので、USCPAよりは若干合格しやすいような印象を受けます。
ただ、正答率が直接関係するわけではなく問題の難易度によって点数が調整されるのでUSCPAと似たような採点方式と言えるでしょう。
難易度/2-4
USCPAとUSCMAの勉強時間を以下のように比較すると、難易度に大きな違いがあることがわかります。
USCPA:1200時間~1500時間
USCMA:300~500時間
また、日本の公認会計士の難易度を「5」とした場合USCPAは「4」でUSCMAは「3」と言われています。
USCPAは4科目合格が必要なのに対してUSCMAは2科目で良く、勉強時間の負担も少ないため比較的気軽に目指せる資格と言えるでしょう。
勉強方法に関しては、USCPAの場合は予備校利用がほぼ必須となりますがUSCMAの場合は英語が得意であれば独学も可能となっております。
ただ日本語で解説された教材がないため洋書などを購入して英語で勉強する必要があるので、難しい人は予備校を検討するのも良いでしょう。
キャリアの活かし方/1-13
USCPAとUSCMAを比較すると、以下のようにキャリアに活かすこと可能となっています。
USCPA:監査法人やコンサル、金融機関、外資・大手企業での経理・財務職
USCMA:財務コンサルや企業の財務・ファインナンス部門
取得後のキャリアに関しては、USCPAの方が幅広いです。
USCPAの方が身につくスキルの幅が広いため、活かせる業界の幅も広いというわけです。
USCMAの場合は財務や管理会計など企業内の意思決定に特化しているため、財務コンサルや事業会社のファイナンス部門のFP&Aとして活躍することが期待されています。
特にFP&Aは今まで欧米で主流だった業務ですが、グローバル化が進む日本でも今後求められてくる職種なので需要が高まる事が予想されます。
取得費用/1-3
取得費用に関しては、以下の通りUSCMAの方が安いです。
USCPA:約100~110万円
USCMA:約40万円
両方とも予備校利用を前提とした金額となりますが、USCMAの方が予備校費用や受験料などが安いのでコスト的には負担が少ないです。
また、USCMAの場合は独学という選択肢もアリなので予備校を利用しない場合は受験料や初回申請料などの20万円で済む場合もあります。
取得費用の安さに関しては、USCMAの方に軍配が上がりますね。
知名度
知名度に関しては、日本ではUSCPAの方が高いです。
USCMAの場合、外資系企業などでは知っている人もいますがあまり知られていないのが現状です。
USCPAは現在は人気の国際資格として認識されてきており、メジャーな資格になりつつあるので将来性はとても高いです。
そのため、就職や転職活動でアピールしたいのであればUSCPAを選ぶことをおすすめします。
USCMAだと、一部のコアな業界や職種の人にしか理解されずアピール材料にならない可能性もありますので・・。
ただ管理会計の重要性がこれからさらに高まっていくはずなので、いずれはUSCMAもUSCPAと同じくらいの知名度になる日が来る可能性もあります。
いずれにせよ、現時点ではUSCPAの方が知名度は高く有名なのは間違いないです。
どちらを取得する方が良い?
色々な角度から比較してきましたが、結論として個人的にはUSCPAの取得をおすすめします。
気軽に受験できて合格できるのはUSCMAの方ですが、やはり難易度や知名度の高さという観点でUSCPAの方が取得価値は高いからです。
周りからの評価や転職の際の武器として利用する際にも、USCPAの方がネームバリューはあります。
USCMAに比べると合格するまでに苦労は多いですが、迷っているならUSCPAを目指すのがベストです。
両方とも国際資格であり、重要な知識を学べるものではありますがまずは先にUSCPAを取得しましょう。
コメント