「USCPAと中小企業診断士はどっちが難しい？」
「両方取得するメリットってある？」
USCPAと中小企業診断士、それぞれ分野が異なる資格ですが両方検討している人もいるかと思います。
今回は、USCPAと中小企業診断士の難易度などの比較やダブルライセンスのメリットを解説していきたいと思います。
USCPAと中小企業診断士を比較
USCPAは会計を学ぶ資格、中小企業診断士は経営を学ぶ人気資格ということで分野が異なっています。
さらに、両方の資格を色々な角度から比較していきましょう。
試験の難易度/2-4
まず、試験難易度に関しては・・
・USCPAの方が中小企業診断士より若干難易度が高い
と言えます。
これは、「中小企業診断士の方が独学でもなんとかなる」という事と以下の観点から得られた考察の結果です。
勉強時間/2-3
両方の資格の勉強時間を比べてみましょう。
USCPA：1200時間～1500時間
中小企業診断士：約1000時間
勉強時間からすると、USCPAの方が合格までに必要な労力は大きいです。
USCPAには2000時間かける人もいるぐらいなので、中小企業診断士よりも難易度が高いと言えます。
合格率/5-9
ただ、合格率について見てみると以下の通りとなっています。
USCPA：推定15%～20%（日本人の全科目合格）
中小企業診断士：5%（１次試験と２次試験のストレート合格）
USCPAは合格率が公表されていないのであくまでも推定ですが、それでも中小企業診断士の方が明らかに合格率は低いです。
中小企業診断士の場合は１次試験の合格率が20～30%、2次試験の合格率が20%前後となっています。
そのため、ストレートで最終合格までいく人の割合が少ないという仕組みになっているのです。
また、１次試験は絶対評価ですが２次試験は相対評価で合格できる割合が決まっているので勉強時間の割には難易度の高い試験と言えるでしょう。
受験資格/4-1
USCPAと中小企業診断士の受験資格は以下の通りとなっています。
USCPA：大学卒か卒業見込みで一定の単位を取得（州による）
中小企業診断士：誰でも受験可能
USCPAと違い、中小企業診断士は学歴や年齢など一切関係なく受験できるためUSCPAの方が受験資格を得る手間も込みで難易度は高いと言えるでしょう。
試験制度/5-0
続いて、両方の資格の試験制度を比べていきましょう。
USCPA
・科目：コア３科目と選択科目１科目の計４科目
・出題形式：MC問題（４択）とTBS問題（シミュレーション）
・受験日：ほぼ自由に設定可能
・試験方式：CBT（テストセンターのPCで受験）
・合格判定：各科目75点以上
・科目合格：あり（1科目ずつ受験可能）
中小企業診断士
・科目：１次試験は7科目・２次試験は4科目
・出題形式：１次試験は４択もしくは５択・２次試験は記述式・口述
・受験日：１次・２次試験共に年１回
・試験方式：指定の会場にて用紙で受験
・合格判定：1次試験・２次試験共に満点の60%以上
・科目合格：あり（１次試験免除は翌年まで・１次試験科目免除は翌々年まで）
試験制度を見ると、中小企業診断士の方が少しとっつきにくいかもしれません。
科目数が多く、受験のチャンスは年１回のみなのでUSCPAに比べると気軽に何度も受けられる試験ではないですね。
また、出題形式も選択式だけでなく200字程度書かせる記述式や口述試験もあります。
試験が３段階あるようなものなので、それぞれに対策が必要となる試験制度となっています。
USCPAの場合はシンプルに１科目ずつ自由に受験ができて年に何度かはチャンスがあるので、試験制度自体は取り組みやすいと言えます。
活躍できる業務
USCPAと中小企業診断士では、以下のように活躍できる業界や業務が異なっています。
USCPA：監査法人・税理士法人、外資・大手企業経理、コンサル、金融機関
中小企業診断士：企業の経営企画部門やコンサル、経営コンサルタントとして独立
USCPAの方が専門職での活躍がメインなのに対して、中小企業診断士は経営企画がメインの職種や業界で活躍できる傾向にあります。
また、独立するのであれば中小企業診断士の方が一般的には向いていると言われています。
年収/9-2
USCPAと中小企業診断士の年収を比べると、以下のようになっています。
USCPA：約450万円からスタートし1000万円以上も可能
中小企業診断士：平均500万～800万で1000万円以上も25%ほどいる
USCPAも中小企業診断士も、年収レンジは高めとなっています。
USCPAの場合は高年収業界での需要が多く、CFOなどの高ポジションも狙えるためスタッフレベルからスタートして1000万～1500万も狙える資格となっています。
中小企業診断士も、独立して活躍できたりコンサルティングファームなどで高年収を期待できます。
ただ、企業内で働くという観点で見るとUSCPAの方が年収のポテンシャルは高いです。
中小企業診断士とUSCPAどっちが良いか？
USCPAと中小企業診断士はどっちの資格を取得した方が良いかは、その人のキャリアプランによって決まってきます。
ざっくり言うと・・
USCPA：英語と会計を使ってグローバルに高年収を稼ぎたい
中小企業診断士：経営全般を見渡す「経理コンサルタント」として活躍したい
グローバルに専門性を活かすならUSCPA、徹底的に経営のプロになりたいなら中小企業診断士というところでしょう。
USCPAと中小企業診断士のダブルは強い！/2-14
ここまではUSCPAと中小企業診断士の違いを比較してきましたが、実は両方の資格はお互いにシナジー効果が見込めるためダブルライセンスは大変おすすめです。
以下に理由を挙げていきます。
数字に強い経営コンサルタントが爆誕
中小企業診断士は経営に強く、USCPAは数字に強い資格です。
この両方を取得するということは「数字に強い経営コンサルタント」になれるということです。
経営をするには経理や財務面の素養はとても重要になってきます。
そのため、両方の資格をダブルで取得することでお互いに足りない面を補いあってより強固なビジネスパーソンになることができるのです。
専門性に優れたゼネラリストは最強です。
英語でコンサルティングの幅が広がる
USCPAの学習をすることで必ずビジネス英語のスキルが急上昇します。
中小企業診断士も近年では英語を使ってグローバルに活躍することも必要となってくるため、USCPAとのダブルライセンスで英語のできるコンサルタントとして活躍可能です。
年収や活躍の場を広げるためには、英語でコンサルティング活動ができるというのは独立の場合でもコンサルティングファームで働く上でもプラスでしかないでしょう。
経営コンサルタントをするにあたって、海外とやりとりをすることができれば必ず仕事の幅は広がります。
中小企業診断士は人気資格のため保有者も多いです。
そのため、他の経営コンサルタントとの差別化を図る意味でもUSCPAという強みがあるのはとても心強い武器となるでしょう。
逆に、USCPAとして活躍する上でも経営全般が分かっている人材の方が市場価値は高くなりますので「幅広い知識を持ったグローバルな会計士」としても活躍できます。
試験内容も一部リンクしている
最後に、USCPAも中小企業診断士も会計・財務の知識や経営分析の手法が試験で問われます。
つまり、お互いに試験範囲が一部リンクしているのでダブルライセンスをする上で学習が効率的になります。
どちらかを先に取得していると、もう一方の試験勉強が多少はラクになるという面もあるのでおすすめです。
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