「USCPAに合格する人ってどんな人なんだろ?」
「出身大学はどこが多いんだろう?」
USCPAを受験したり合格する周りの人が、どんな状況でどんなスペックなのか気になりますよね。
今回は、予備校の合格体験記の合格者情報を元に合格者の出身大学や英語力・実務経験などのスペックを調査して集計し分析をしました。
サンプルが80人とあまり多くはないですが、十分参考になるかと思います。
男女比は2:1くらい
まず、調査・集計でのUSCPA合格者の性別は以下の割合だった。
男性:70%
女性:30%
日本の公認会計士試験の女性合格者の割合は20~25%なので、USCPAの方が女性割合が高い。
私が監査法人時代に知り合ったUSCPAの人たちも女性が比較的多かったので、USCPAの方が女性に人気の資格とも言えます。
恐らく、USCPAの方が洗練されたお洒落なイメージがあるためかと個人的には推測しています。
USCPAの出身大学は比較的高学歴
サンプル80人に対して出身大学が判明したのは40人でしたが、ある程度の傾向はあります。
人数が比較的多かったのは、以下の大学でした。
・慶応大学
・中央大学
・同志社大学
・一橋大学
・京都大学
・立命館大学
全体としては有名国立大学や早稲田慶応、MARCHや関関同立など高学歴の人が多い印象です。
今回の集計ではMARCH・関関同立レベルの大学の人数が一番多かったです。
しかし、80人全体のサンプルとして見た場合、出身大学が不明の人も多く上記以外の大学の出身者もそれなりにいるので「高学歴じゃないと無理」というわけではありません。
実際、東大や京大の人でも2~3回不合格になっている人もいますし、大東文化大学やMARCH関関同立レベルの人で一発合格などスムーズに合格している人も結構見られました。
ちなみに、学部が判明したのはわずか4人でしたが理工学部や社会学部・文化学部など会計学とはほとんど縁のない学部の人がいました。
簿記2級を取得している人が約半数/1-11
会計知識の有無に関しては、USCPAの学習を始める前にすでに簿記資格を取得している人が多く見受けられました。
簿記2級:約50%
簿記3級:約15%
簿記1級:約15%
会計知識なし:約15%
半数以上が簿記2級を取得してからUSCPAに挑戦しているケースが多いですが、会計知識がほとんどない人もいるため会計初心者でも目指せるという事がわかります。
ただ、個人的には最低でも簿記3級に合格するぐらいの知識を持っていた方がUSCPAの勉強(特にFAR)が非常に効率的になるのでおすすめです。
TOEICの点数平均は800点前後/5-2
英語力に関しては、TOEICの平均が800点前後という結果が出ました。
とはいえ、TOEIC400~500点台の人も10%以上いましたので英語が苦手な人でもなんとかなるという事も分かります。
また、英語力があるに越したことはありませんが「英語力と合格率」にはあまり相関関係はないようです。
TOEIC900点以上の人でも全科目合格までに8回や10回受験している人もいますし、逆にTOEIC500点台の人で全科目スムーズに一発合格している人も結構いるからです。
「英語が苦手」というレベルでも予備校や勉強方法などの戦略を間違わなければ十分に合格できる試験です。
私自身、アメリカに留学経験がありTOEIC920点をとった事がありますが全科目合格するまでに計8回受験しました。
学習期間もトータルでは3年ぐらいかかっています(独学)。
金融機関勤務者が多いが業界は様々
金融機関出身者が12%ほどいましたが、業界に関しては比較的多岐にわたっています。
メーカーやコンサル、商社もまあまあ多かったです。
あとは、不動産、製薬に通信など様々な業界からUSCPAにチャレンジをしているようです。
ただ、経理職の人が比較的多かったのですが業界が不明な人が多かったため業界に関しては参考程度とさせていただきます。
会計実務経験者はそこまで多くはない
事業会社で経理や財務の仕事をしている人は20%ほどいました。
普段の業務のブラッシュアップのためにUSCPAを受験する人も多いようです。
また、すでに監査法人に勤めている人や公認会計士として業務をしている人もちらほらいました。
それでも、営業やマーケティング・コンサルやコンプライアンス部門など会計実務未経験者の割合もかなり高かったです。
実際、経理職の人でも全科目一発合格している人は半数に満たなかったので実務経験があるから必ずしもすぐに合格できるというわけでもないということになります。
未経験からUSCPAを取得するのは十分に可能という事ですね。
大学生の合格者も比較的多い
そして、大学生の合格者も10%ほどいました。
昔は大学生でUSCPAに合格する人は皆無でした。
ただ、現在はUSCPAの認知度が上昇して就活に向けてのアピールなどで力を発揮する事が分かった人が増えたということでしょう。
USCPAは将来性があり今後も認知度が上昇し続けると予想されるので、大学生の受験者や合格者の割合ももっと増えていくでしょう。
全科目を一発合格する人の割合は約50%/5-9
合格者の受験回数については以下のような結果となっています(4回が一発合格)。
平均受験回数:6回
より実態を表した中央値:5回
一発合格者の割合:約50%
全科目を一発で合格するのは簡単ではない事がわかります。
受験者の半数は合格までに1~2回は不合格を経験することになります。
1度や2度の挫折で諦めない事が、全科目合格に大事なマインドです。
中には10回以上受験している人もいるので(最高は17回)、諦めずに根気強く継続する意識を持つことがUSCPAには必要と言えるでしょう。
学習期間は18か月が中央値
合格までに学習期間で一番多かったのは18か月でした。
このことから、USCPA合格までに要するのは1年半という期間が目安と言えるでしょう。
ただ、学習期間については個人の仕事や家庭の事情などライフイベントの変化によるところも大きいです。
学習期間が3年の人や5年以上かかっている人もいますが、途中で中断しながら少しずつじっくりと合格を目指す人もいたりするからです。
また、会計実務経験がある人と未経験の人では学習期間にあまり差はありませんでした。
実務経験があるからと言って必ずしも有利とは限らないということですね。
ちなみに、勉強時間についてのサンプルが少なかったので参考程度になりますが1000時間~2000時間のレンジで大体収まっている感じでした。
もちろん、早い人では半年で合格したり700時間の勉強時間で合格している人もいるので人ぞれぞれと言えるでしょう。
結論:スペックの高さより戦略と根気/6-2
今回はUSCPA合格者のスペックを色々な角度から統計的に調査・分析をしました。
母集団が多くはないため、あくまでも参考ですが傾向は大体つかめたかと思います。
英語力や実務経験などのスペックが高くても何度も不合格になる人もいる一方で、英語力が低くて会計知識があまりない人でもスムーズに一発合格する人もいます。
合格できるかは「このスペックが高いから絶対有利」というケースは少なく、色んな要因に左右されます。
最終的には、「しっかりとした受験戦略を確立して合格まで諦めずにコツコツと地道に学習を継続する事」がUSCPA短期合格に一番必要な事だということです。
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