「USCPAに独学は無謀?」
「USCPAに独学で合格した人っていないの?」
色んな事情で、USCPAに独学で合格できないか考えている人は結構いると思います。
そこで今回はUSCPAに独学で合格した私が、自分の経験で得た知識をベースに余すことなく独学での挑戦についてのノウハウや合格のためにやるべき事を徹底的にお伝えいたします。
USCPAは独学で合格可能か?
まず、USCPAに独学で合格することは
「とても難しいが絶対に不可能というわけでもない」
というのが個人的な感覚です。
ただ勘違いしてほしくないのは、私は自分が独学でお金と時間を浪費した経験から「やはり最初から予備校を利用していた方が良かった」と今となっては思います。
USCPAは試験制度が他の資格試験に比べて特殊なので、独学ではなく予備校を利用してしっかりと学習をした方が合格できる確率は圧倒的に高いです。
独学で合格する人の割合
ちなみに、USCPAに独学で挑戦して合格する人はどのくらいいるのでしょうか?
これに関しては特にデータもないので個人レベルでの感覚ですが、現在は独学で合格する人はほとんどいないでしょう。
私自身は独学で合格しましたが、監査法人に入ってから知り合ったUSCPAの人で独学だった人は誰もいませんでした(ちなみにみんなアビタス利用)。
恐らく、日本人のUSCPA合格者で独学の割合は数パーセントにも満たないのではないかと推測します。
特に現行のUSCPAの試験制度は、昔のようにMC問題だけを重視してあまり理解せずゴリ押しで独学合格できるものではなくなっているため以前よりも独学が難しくなっているでしょう。
公認会計士試験も独学で合格する人はいる/2-11
しかし、他のどんな難関資格試験でも独学合格者はいつも必ず一定数います。
USCPAよりも難易度の高い公認会計士試験も予備校利用をして合格するのが常識ですが、独学で合格している人も毎年少なからずいます(恐らく合格者の1%未満)。
そういう事を考えると、USCPAにも独学で合格する人は少数ですが一定割合いると考えても不思議ではないでしょう。
圧倒的に不利で無謀かもしれないが、100%独学が不可能というわけではないのです。
私が独学で合格できた理由/8-9
USCPAの独学は圧倒的少数派ですが、私はその中に入っています。
自分が独学で合格できたのは以下の理由だったのではないかと考えます。
・留学していたため英語力が高く、英語の試験に慣れていた
・当時はBECがMC問題のみだった
・FAR、REG、AUDはMC問題の配点比率が6割だった(TBS問題は4割)
・AUDのTBS問題の一部が事前の演習と完全に同じで運が良かった
・合格するまでにトータルで3年はかかったため学習期間が長かった
私が合格した当時は日本受験が始まる直前でしたが、MC問題を重視する試験制度だったことに助けられた感があります。
独学で学習の質が多少低くても、問題演習をひたすらこなして配点比率の高いMC問題で高得点を取ればTBS問題があまりできなくてもギリギリ合格できたような実感がありました。
そのため、仮に自分が現在の試験制度で同じやり方で受験しても合格できないでしょう。
現在はMC問題とTBS問題の配点比率が50%ずつなので、独学で合格を目指すなら体系的に論点を理解しながら問題演習をこなす事が重要となってきます。
独学でUSCPAを目指すリスク
USCPAに独学で挑むことは絶対に無理ではないですが、相当きついです。
なぜなら、独学の場合大きく3つのリスクを背負うことになるからです。
挫折しやすい/1-5
予備校を利用する人に比べて、独学の方が挫折する可能性は高いです。
その理由として、
・質問したり教えてもらえる人がいない
・自分の勉強法が合っているか不安
・周りにUSCPA受験者がいなくて相談できる人もいない
・背中を押してくれる人がいない
・テキストや問題集の選定に困る
もちろん、挫折する理由は人それぞれなのですが予備校が後ろ盾にないというのは独学者にとっては痛いところです。
どうしても分からないところを講義動画や質問で解決できるわけではないですし、予備校で提供している便利な学習ツールがないので効率や質が上がらずモチベーションの維持が大変です。
受験資格を得る段階からすべて独りでこなさなければいけないため、メンタル的に「USCPA無理だ~!」となりがちです。
費用が爆上がりしやすい/1-3
予備校利用よりも独学の方が学習効率やクオリティが低くなってしまうため、合格率も必然と低くなります。
USCPAは他の難関資格に比べて受験のチャンスが格段に多いので、不合格でも気軽に1~2か月後などにチャレンジできますがお金がかかります!
USCPAは1科目につき、大体約10万円の受験料がかかるので「何度も気軽に同じ科目にチャレンジ!」ということが実際はしにくいのです。
そのため、予備校生より効率の悪い学習を不安が大きいまま続けて受験しても不合格がかさみ受験料のせいでUSCPAの費用が爆上がりしてしまう可能性も十分にあります。
これは独学リスクの実質的なネガティブ要素となります。
転職が遅れる/9-1
独学で学習を進めていくと挫折することも多くなるため、費用がかさむだけでなく合格までに長期化する可能性も高くなります。
私は実際にそれを経験してしまい悲願の合格までに3年かかってしまいました。
もし、USCPA合格をきっかけに転職活動を考えているなら若いうちに短期間で合格した方が絶対に良いです。
独学で長期化して私のように3年も経ってしまうと、年齢的に転職が不利になってしまうケースもあるので注意が必要です。
もちろん、転職を考えていない人はこのリスクについては考えなくても良い話です。
どうしても独学で合格したい人がやるべき事
さて、ここまではUSCPAの独学が厳しく高いリスクの存在について解説してきました。
が、上記でも触れたように「独学で合格した人もいるので絶対に無理ではない」という事を再度お伝えします。
そしてここからは、リスクを覚悟でどうしても独学でUSCPAの合格を目指したい人のために「独学挑戦者が合格確率を少しでも上げるためにやるべき事」について解説していきます。
USCPAの情報をかき集める
まず、独学で目指すなら真っ先にやる事はUSCPAの情報収集をすることです。
予備校生であれば学校が合格までに何をどうすれば良いか教えてくれますが、独学だと自分から動かなければ何も情報を得ることができません。
USCPAについて市販されている本があまりないため、資格や勉強方法については情報が得られにくいです。
そのため、主な情報源としては
・ブログやサイト・SNSなどネット上のUSCPA情報
・USCPA予備校が無料で提供している説明会や資料
この2通りの情報収集がメインとなるでしょう。
ここも含めて、USCPAについて解説しているサイトやブログは複数あるので可能な限り色々とみて参考にしておくべきでしょう。
また、予備校の無料説明会や無料資料も意外と馬鹿にできません。
予備校についての話だけでなく、受験州の選び方やUSCPA資格の活かし方など独学で目指す人にとっても有益な情報も得られます。
可能な限りオンラインでの無料セミナーに参加したり資料請求して手元に置いておいた方がモチベーションの観点からもプラスとなるでしょう。
独学で目指す場合予備校生より情報面で不利なのは否めないので、せめて無料で得られる情報は可能な限り集めておくべきです。
予備校の無料サービスを利用する/7-13
上記でも少し触れましたがアビタスなどのUSCPA予備校では、USCPAに関する無料サービスを色々と実施しており充実しています。
予備校生にとっては当たり前のサービスかもしれませんが、独学者からすると受けておいてプラスになるサービスばかりです。
例えばアビタスの場合だと、
・USCPAの受験州の選び方や試験の最新情報が記載された無料パンフレット
・USCPAや合格後のキャリアが知れる参加特典付きのオンラインセミナー
・自分に不足している単位を診断してくれる単位診断サービス
・USCPAについての疑問点を相談できる個別カウンセリング
受験資格を得るためには、受験州の選び方などが分かる資料があると便利ですし自分の不足単位を教えてくれる単位診断サービスも独学者にはありがたいものです。
また、無料のオンラインセミナーに参加すると特典としてUSCPA学習法動画やアマゾンギフトなどが貰えたりします。
USCPAの情報はただでさえ多くはないので、予備校生にならなくても予備校の無料サービスは積極的に使い倒しましょう。
独学の場合、「やれる事は出来る限りやる」というのが重要です。
良質な教材を手に入れる/8-2
続いて独学でUSCPAを目指すなら、可能な限り質の高い教材を手に入れる事が重要です。
「試験に合格できるかどうかはテキストと問題集の質で決まる」と言ってもいいぐらい、教材は合格に直結します。
ただ、独学の場合は市販の学習本がないですし予備校から教材を提供してもらうことができません。
そのため、独学者が少しでも良質な教材を手に入れる手段は以下の2通りとなります。
・メルカリやヤフオクなどの中古市場で予備校教材を購入する
・アメリカの有名な洋書テキスト・問題集を公式HPから直接購入する
おすすめはアビタスの中古テキストを購入して日本語でインプットすることです。
また、アウトプットは英語でPC上で演習をした方が効率が良いため洋書問題集としてBecker社かGleim社の問題演習ソフトを単独購入して学習するのが理想です。
ちなみに、2024年以降の試験に対応している予備校教材をメルカリなどで購入する場合は8万円ぐらいが相場です(4科目フルセット)。
また、価格が安いGleimの問題演習ソフトを購入する場合は1000ドルとなります(4科目分)。
「日本語テキスト&アメリカの問題演習ソフト」の組み合わせであれば、為替相場にもよりますが20万~25万円ぐらいが教材費用となります。
放送大学などで単位取得をする/8-7
USCPAを受験する場合、学歴要件と単位要件があるため最初から受験資格を満たしていない人がほとんどです。
これは出願州によっても異なりますが、受験資格を満たすために不足しているビジネスや会計単位を取得しなければなりません。
予備校生なら予備校で単位認定試験を受けて単位取得が簡単にできますが、独学の人は放送大学で不足単位を取得するのが一番現実的です。
予備校と違って、放送大学は入学時期が年2回なので気軽にすぐに単位取得できるわけではありませんがUSCPAの学習を進めながらゆっくりやっても問題ないでしょう。
独学なりの勉強戦略を確立する/8-4
独学の場合、予備校利用とは違い「問題や論点を体系的にしっかりと理解する」という面で不利です。
そのため、高得点で合格する事を期待するのはやめておきましょう。
「USCPAは75点を取ればよい、ギリギリ合格で良い」と割り切った学習法を確立しましょう。
自分が手に入れた予備校の日本語テキストが古いバージョンの場合、インプットはほとんどやらずアウトプットにほとんどすべてのリソースをつぎ込むのも一つの方法です。
また、メルカリなどで購入した予備校教材のみで合格を目指すなら問題集が紙媒体のため試験前にサンプルテストで本番環境に慣れたりすることも超大事です。
基本的に独学者はアウトプットメインでMC問題演習をひたすらやって実力をつけていき、TBS問題は部分点をかき集めるという戦略がベストです。
あと、模試はできる限り受けた方が良いです。
これは独学に限った話ではないですが、本番に近い雰囲気で全力で模試を受ける事で本番の雰囲気に飲まれずに失敗しにくくなります。
USCPA予備校の模試なら予備校生でなくても有料で受験することができるので、ある程度学習が進んだ段階もしくは本試験直前で受けてみることをおすすめします。
モチベーションを高く保つ/8-5
メンタル的には、独学の方がモチベーションの維持が難しいという問題もあります。
私も独学での受験時代は周りに誰もUSCPAの話をする人がいなくてふと不安になることもありました。
そのため、以下の方法などで少しでも学習を継続できるようモチベーションを保つ事も重要です。
・英語と会計を使って仕事してる自分を想像する
・合格体験記を見て合格できる意識を頭に刷り込む
・予備校の資料などを眺めてUSCPAをイメージする
・MC問題を着実に解いて自信をつける
・予備校の無料説明会などに参加して合格後の姿をイメージする
私の場合、上記の事をやりながらUSCPAを目指している自分に酔ってモチベ上げてました。
長期間の勝負になる事を覚悟する/8-8
USCPAにはできる限り短期間で合格したいところです。
しかし、独学の場合は学習クオリティの面でかなり不利な部分があるので全科目すべて一発合格というのは厳しいでしょう。
私も悲願の合格を果たすまでに9回受験をして3年の期間をトータルで要しました。
独学の場合、何度も落ちて不合格になり改めて予備校利用を検討する人も少なくないでしょう。
また、受験が長期化することで費用面でも高くつくかもしれないという最悪の事態なども覚悟した上で目指した方が良いです。
独学だと本当に費用が安くなるのか?/8-6
独学でどうしても合格を目指したい人向けに、自分が持っているノウハウをお伝えして解説してきました。
しかし、独学だと本当に合格までのトータル費用は安くなるのでしょうか?
これについては、独学でも結果的に予備校利用した場合の費用とほとんど変わらない事も十分にありえます。
独学だと教材や学習の質が低くなりがちなので、不合格を繰り返して受験料が膨大になってしまう事があるからです。
仮にアビタスの最新テキストを中古市場で8万円で購入できて教材的には安く済んでも、すべて紙媒体では学習効率が落ちるので何度も不合格になり数十万円の受験料が上乗せとなってしまうこともあります。
その場合、USCPA予備校の相場が30万~60万円なのであまり独学でやっていた意味がないという事態にもなりかねません。
もちろん上記のケースで教材費を8万円で抑えて全科目一発合格できれば、予備校を利用した場合の費用の半分で済ませられるでしょう。
ただ、それには相当高い英語力と会計の知識に自信がないときついかとは思います。
独学するぐらいなら激安予備校の方が良い?/7-24
記事中でも触れましたが、独学で理想的な組み合わせの教材を自分で購入すると20万~25万円かそれ以上かかることもあります(日本語テキスト&洋書問題集)。
それであれば、安い予備校を利用した方が教材もサポートも講義も手に入るのでそっちの方が全然マシなんじゃないかと思ってしまいます。
ちなみに、最近話題のCPA会計学院のUSCPA講座の金額は30万円です。
公認会計士試験の合格実績で有名な予備校ですが、USCPA講座についてはまだ新しく歴史が浅いので個人的なおすすめ度については未知数です。
それでも、独学でかかる費用とあまり大差がない激安ぶりなのでこっちの利用を検討してみるだけでもありなのではないでしょうか。
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