「USCPAはライセンスがないと価値がない?」
「試験に合格しただけでは使えないのかな?」
今回は、USCPAライセンスの取得と単純な試験合格の違いなどについて解説していきます。
USCPAのライセンスは必須ではない
USCPAは試験に合格しただけではライセンスを取得することはできません。
試験合格後、ライセンス用の単位取得&会計関連実務経験の積み上げをして初めて米国公認会計士と名乗れるようになりライセンスを取得できるようになります。
そして結論から言うと、その人の置かれた状況や目指しているキャリアにもよりますがライセンスは必須というわけではありません。
一番大事なのは試験合格という実績
USCPAの一番の壁は間違いなく試験に合格することです。
日本国内でキャリアを積む場合、この「試験合格の実績」というのが一番重要となるため絶対にライセンスを取らなきゃいけないわけではないです。
ライセンスを取得するための単位認定試験などもオンラインで比較的簡単に修了することができるので、やはり一番難しいのはUSCPA試験合格なのです。
試験に合格さえしていれば自分の価値が大きく上がることは間違いありません。
合格後の転職活動にライセンスは不要/9-1
USCPAは試験に合格した段階で就職や転職で多くの企業から評価されます。
監査法人に入所したい場合も、エントリーレベルのポジションであれば試験合格者を募集しているためライセンスは不要です。
他の企業でも、就職や転職活動の段階ではライセンスの有無というのは重要視されていないため必須ではありません。
多くの人がUSCPAを足掛かりにより条件の良いところや自分にとってやりがいのある企業に転職したいと考えていると思うので、合格さえすれば転職成功は実現します。
ライセンス未取得者も一定数いる
公認会計士試験と同じで、USCPAもライセンスを最終的に取得しようと考えている人が多数です。
しかし、USCPAを狙う人の中でもライセンスを特に取得する予定がない人もいます。
実際ライセンスを不要と考えている人は割合的には10%程度ですが、こういった人たちもいるということは認識しておいてよいかと思います。
ライセンスは必須ではないが推奨/3-4
USCPAライセンスは必須ではないということをお伝えしてきましたが、「ライセンスを取得しなくても全く問題ない」という事とは違います。
義務ではないのですが、アメリカの公認会計士協会であるAICPAやNASBAは強くライセンスの取得を強く推奨しています。
個人的にも、ライセンスを取得したくない特別な事情がない限りはとった方が良いと感じています。
しかも、AICPAやNASBAは「USCPA試験に合格してから3年以内にライセンスを取得しない場合はデータベースから名前を取り消すこともある」と公表しています。
あくまでも取り消す可能性があるだけで必ずそうするというわけではないですが、長期的に考えるとライセンスを取得しておいた方が良いのは間違いないでしょう。
ちなみに誤解してほしくないのは、合格実績が取り消されることはありません。
あくまでもUSCPA合格者としての検索データベースから名前が消えるだけなので、合格した実績は残りますので3年以上たってもライセンスを取得することは可能です。
ライセンスがあった方が良い場面/3-0
実質的な観点から見ると、ライセンスがあった方が良い場面というのは複数あります。
自分がUSCPA合格またはライセンス取得をして何をしたいかによっても変わってきますが、おおむね共通している「ライセンスによって享受できるメリット」は以下の通りです。
海外でUSCPAとして働きたい
USCPAを引っ提げて海外就職・転職したいと思うなら、ライセンスは基本的にあった方が良いです。
アメリカやカナダ、オーストラリアなど日本人に人気の国では就労ビザを発行するのに実務経験を重要視する傾向があります。
USCPAはライセンスは実務経験を積んでから取得できるようになるため、「ライセンス=実務経験あり」という事になります。
タイやベトナムなどの東南アジアなどでは、実務経験なしの未経験でもUSCPA合格実績だけで現地採用される事も多いですが先進国などでUSCPAとして活躍したいならライセンスがある方が確実にプラスとなります。
日本の監査法人などで出世したい
USCPAはポジションが上がるにつれてライセンスがあった方が確実に良いです。
スタッフレベル・エントリーレベルでの転職の場合は合格実績だけあれば十分です。
ただ、そこからマネージャーや役員・パートナーになりたいなら取引先やクライアントなどへの印象も含めてライセンスはほぼ必須といっても良いでしょう。
責任あるポジションほど、ライセンスホルダーの方が信頼されます。
社内外での知名度や評価を上げたい
社内での出世だけでなく、同僚からの信頼や社外での自分の知名度を上げたいのであればライセンスがある方が分かりやすいです。
「試験合格者」という肩書だけだと、なんとなくインパクトが弱いものです。
ライセンスを持っていると「USCPAです!」と分かりやすく言えるので、周りからの信頼や知名度が上がりやすくなります。
プライベートでも「アメリカの公認会計士なんです!」というと反応が良いのでおすすめです。
名刺に記載して信用を増やしたい
ライセンスを取得すると、名刺に「USCPA」「米国公認会計士」と記載ができるようになります。
試験合格しているだけだと、上記のように表記することができないのが大きな違いです。
名刺に自分がUSCPAだと記載してあれば、口頭で伝えなくても分かりやすく周りから一目置いてもらえるようになります。
また、名刺に「米国公認会計士」と記載してあるのは自分にとっても感慨深いものなのでこれを目標にライセンスを取得してもいいぐらいです。
CFOなどの重要な役職を狙っている
CFOやそれに準ずる重要な役職を将来的なキャリアとして考えているのであれば、間違いなくライセンスは取得しておくべきでしょ。
会計の関連の仕事をするなら、個人的にはマネージャーやコントローラー以上からはライセンスがあった方が良いと思います。
管理職や役員などの役職に会計士のライセンスがプラスされると、かなりすごい人だと認識されるものです。
海外では重要な役職にはライセンスを必須としている企業も多いため、グローバルスタンダードに合わせておくのが良いでしょう。
自分にさらなる自信をつけたい
最後に、ライセンスを取得する大きな意義は「自分への自信」です。
私もワシントン州のライセンスを取得した時は、「自分もUSCPAになったんだ・・!」と感動したのを覚えています。
自己肯定感が大きく上がり、自分の価値が上昇したように感じました。
こういった自信を持つのはビジネスでは大事なので、自分のためにライセンスを取得することをおすすめいたします。
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