「USCPAはアメリカや日本以外でも評価されるの?」
「USCPAがあれば他の国でも会計士として活動できる?」
今回は、USCPAの相互承認協定と使える国について解説していきます。
USCPAの相互承認協定(MRA)とは?
USCPAの相互承認協定を結んでいる国では、その国独自の会計士ライセンスがなくてもUSCPAを持っていればその国で正式に会計士として活動できるルールです。
通常、その国で公認会計士として活動するには現地の会計士試験に合格して登録をする必要があります。
ですが、相互承認協定を結んでいる国ならばUSCPAが現地の会計士資格の代わりとなるのでその国に移住などしても0から会計士試験に合格する必要がないということです。
残念ながら日本はこの協定を結んでいないため、USCPAで日本の公認会計士として登録することはできませんが海外で働きたい人にとってはとても魅力的な制度と言えるでしょう。
これは逆もしかりで、相互承認協定を結んでいる国の会計士がアメリカで働く場合もUSCPAを改めて取得する必要がなくその国の資格で会計士として正式に活躍することが可能となっています。
相互承認協定を結んでいる国
相互承認協定を結んでいる国であれば、USCPAがあれば移住しやすいと言えます。
ただ、多くの国でUSCPAと相互承認協定を正式に結んでいるわけではなく特定の国に限られています。
USCPA:オーストラリアと相互承認/14-8
オーストラリアは相互承認協定があるため、USCPAがあればオーストラリアの会計士免許を取得する必要がありません。
日本人が駐在や移住する人気の国の一つでもあるため、オーストラリアとの相互承認はかなりありがたいですね。
ちなみに、オーストラリアでUSCPAを利用して会計士として活動する場合は所定の書類を提出して現地の団体に登録をする必要があります。
詳しい提出物はオーストラリアの現地の団体のサイトで確認をしてほしいのですが、おおむね以下の通りとなっています(登録する団体で必要な書類が異なる)。
・Letter of Good Standing
・Congratulatory Letter
・身分証明書
・学歴証明
・推薦状
オーストラリアの会計士団体は2つあるため、どの団体でどの書類が必要になるかは各自で調べてみましょう。
USCPA:カナダと相互承認/14-3
カナダもUSCPAとの相互承認制度がありますので、カナダで1から会計士を目指す必要はありません。
カナダも日本人に人気の国なので、移住している人または移住を考えている人も多いことでしょう。
USCPA取得者がカナダで公認会計士として活動するために必要な条件は以下の通りとなっています。
・大学または大学院で150単位取得していること
・USCPA取得後に2年以上の業務経験があること
カナダの場合は、USCPA資格だけでなく実務経験がある程度必要になることが分かりますね。
USCPA:その他の国
以下の国々でも、USCPAとの相互承認協定を結んでいるので会計士として活動が可能です。
・メキシコ
・南アフリカ
・ニュージーランド
・アイルランド
・スコットランド
相互承認制度に関しては、ずっと同じ国というわけではなく入れ替わりもあったりします。
シンガポールや香港も以前は協定があったのですが、現在はなくなっています。
逆に、南アフリカやアイルランドは比較的最近になって相互承認協定を結ぶようになりました。
そのため、現在はまだ協定を結んでいない日本などでもいずれはあり得る話になるかもしれませんね。
USCPA資格がそのまま使える?
上記で挙げた国々ではUSCPA資格を持っていればその国で会計士として登録が可能ですが、国によって登録に必要な要件や提出物などが異なることもあります。
オーストラリアやカナダなどが分かりやすい例ですね。
それ以外で紹介した国でUSCPAを利用して会計士活動を行う場合も、必要な登録方法が異なりますので現地へ移住などする場合は事前に調べておくのがよいでしょう。
相互承認制度=海外就職は楽勝?/14-1
「相互承認協定がある国=そこでの海外就職がしやすい?」という疑問が出てきそうですが、これに関しては半分正解で半分不正解です。
例えば、オーストラリアやカナダなどは労働ビザや移住のためのビザ取得が年々厳しくなっています。
USCPAは世界的に認められている専門資格であるため、他の職業よりは労働ビザ取得や移住がしやすい傾向はあります。
しかし、それでもUSCPAの相互承認協定があるからと言ってその国ですぐに働けるわけではありません。
海外で働くためには、色んな条件をクリアしなければいけません。
USCPAは有利な1つの武器にすぎないため、それ以外のその国の移住条件はしっかりと調べて準備しておくべきでしょう。
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