「USCPAと公認会計士どっちを目指すべきか?」
「どっちの難易度が高いんだろう?」
USCPA(米国公認会計士)と日本の公認会計士、どっちを目指すべきか迷う事も多いでしょう。
そこで今回は、USCPAと公認会計士の違いを徹底比較していきたいと思います。
試験についての比較
ここでは、USCPAと公認会計士の試験について比較していきます。
試験の難易度/2-4,2-3
USCPAと公認会計士の難易度を以下の基準で比較した場合、公認会計士の方が難しいことが分かります。
勉強時間
USCPA:1200時間~1500時間
公認会計士:約3500時間(2000~5000時間)
合格率
USCPA:推定15%~20%(日本人の全科目合格)
公認会計士:約10%(短答式が約15%、論文式が約35%)
USCPAと公認会計士試験の勉強時間は2.5~3倍の差があります。
公認会計士試験の論文試験までの完全合格率も約10%で推移しているので、USCPAよりも難易度の高い試験ということが分かります。
USCPAの勉強時間であれば働きながら合格を目指せる難易度ですが、公認会計士試験は社会人には厳しい難易度です。
同じ会計士試験でも、アメリカでは基本的知識が問われる程度ですが日本では深い会計知識を身につける事が重要という考え方となっていますね。
受験資格/4-1
USCPAと公認会計士の受験資格は以下のようになっています。
USCPA:大学卒か卒業見込みで一定の単位を取得(州による)
公認会計士:誰でも受験可能
公認会計士試験は誰でも受験することができて安定して高いステータスを得られるため、人生一発逆転を狙うのに相応しい資格となっていますね。
USCPAも合格すれば高い年収を得ることができますが、受験資格を得るのが若干手間ですね。
試験制度/5-0
USCPAと公認会計士の試験制度は以下のようになっています。
USCPA
・科目:コア3科目と選択科目1科目の計4科目
・出題形式:MC問題(4択)とTBS問題(シミュレーション)
・受験日:ほぼ自由に設定可能
・試験方式:CBT(テストセンターのPCで受験)
・合格判定:各科目75点以上
・科目合格:あり(1科目ずつ受験可能)
公認会計士
・科目:短答式試験(4科目)・論文式試験(6科目)
・出題形式:担当式はマークシート方式、論文式は記述式
・受験日:短答式は年2回、論文式は年1回
・試験方式:指定の会場にて用紙で受験
・合格判定:短答式は70%以上、論文式は偏差値52前後(相対評価)
・科目合格:短答式・論文式共にあり(短答式に合格すると翌々年まで論文試験免除)
USCPAと異なり、公認会計士試験は短答式と論文式に合格しなければならない上に他の受験生との競争のため厳しい試験制度となっています。
また、論文式試験は論理的に書かせる問題が出題されるためUSCPAに比べて「論点の深い理解」が必要となります。
受験チャンスもUSCPAより少ないため、気軽に目指したいならUSCPAの方が良いでしょう。
受験生のステータス/1-11
USCPAと公認会計士の受験生のステータスは以下のようになっています。
USCPA:社会人で仕事しながら目指す人が多い
公認会計士:受験に専念している人が多い
USCPAは働きながら合格する人が多いのに対して、公認会計士は学生や無職で受験に専念するのが常識となっています。
「会計士になりたいけど、仕事を辞めてリスクを負ってまで試験にチャレンジするのはちょっと・・」という人がUSCPAを目指す傾向が強いですね。
合格後にやる事/3-0
USCPAと公認会計士の試験合格後にやる事は以下のようになっています。
USCPA:約1年の実務経験でライセンス取得可能
公認会計士:3年間の実務補習が必須
ライセンスという観点では、USCPAの方がラクに取得できます。
公認会計士の場合は論文試験合格後は実務補修に加えて修了考査も受けなくてはいけないためライセンスまでの道のりが長いというデメリットがあります。
USCPAはワシントン州であれば1年会計関連の実務を積むだけでライセンス発行となりますので特別な事をしなくても大丈夫です。
資格価値の比較
続いて、USCPAと公認会計士のそれぞれの資格価値を比べていきましょう。
独占業務の有無/1-8
USCPAと公認会計士の独占業務については以下のようになっています。
USCPA:日本では独占業務がない(アメリカで開業可能)
公認会計士:独占業務あり(会計監査)
公認会計士には「監査」という独占業務がありますが、USCPAは日本では独占業務はありません。
また、公認会計士資格保有者は税理士登録もできますので独立して税務やコンサルティングなどで売り上げを伸ばす事も可能です。
試験合格後の就職・転職先/9-4
USCPAと公認会計士の就職・転職先は以下のようになっています。
USCPA:監査法人・税理士法人、外資や大手企業経理・財務、コンサル、金融機関
公認会計士:合格者の9割が監査法人、残りは事業会社など
USCPAと公認会計士の大きな違いは、「公認会計士試験合格=監査法人へ就職・転職決定」という部分です。
USCPAは合格しても就職や転職は約束されていませんが、公認会計士の場合は試験に合格すれば監査法人への入所がほぼ約束されています。
そのため、合格後は安定して高収入の仕事につきたいということであれば公認会計士を目指した方が良いかもしれません。
社会的なステータス
USCPAと公認会計士の社会的なステータスは以下のようになっています。
USCPA:グローバルレベルで評価が高い
公認会計士:日本国内で最高レベルの評価
USCPAは最近でこそ人気資格になってきましたが、それでも会計士と言えばやはり日本の公認会計士の方が知名度は抜群です。
公認会計士の仕事自体はあまり世間では知られていないですが、それでも「公認会計士」という肩書は日本国内では無敵でしょう。
費用対効果/1-3
USCPAと公認会計士の費用対効果は以下のようになっています。
USCPA:難易度の割に高年収を狙えるためコスパは良い
公認会計士:超高難度だが高年収を稼げるのでコスパは比較的良い
USCPAは難易度の割に公認会計士と同じぐらいの年収を稼げるので、コスパ最強という説もあります(USCPAは公認会計士の1/3の勉強時間で合格可能)。
公認会計士の場合は、試験に合格するのがとにかく難しいので無職になって専念しても挫折するケースも多いためコスパはUSCPAに比べると少し劣るでしょう。
年収/9-2
USCPAと公認会計士の年収は以下のようになっています。
USCPA:約400~450万からスタートし1000万~1500万以上も可能
公認会計士:450万からスタートし1000万~2000万以上も可能
公認会計士は監査法人で働く人が多いため高収入で安定していますが、USCPAも監査法人以外の高年収業界で需要があるため同じく高収入を狙えます。
ただUSCPAの場合は外資系企業での経理・財務やコンサルティングファームなど事業会社で働く人も多いので、年収のレンジは公認会計士より広めです。
スキル・知識の差/1-4
USCPAと公認会計士のスキルや知識は以下のようになっています。
USCPA:基本的な会計知識と英語力
公認会計士:深い会計知識
USCPAの会計知識は公認会計士に比べると劣るのは否めません。
その分、英語力が高いため会計知識と英語を組み合わせてグローバル環境で活躍する人が多いですね。
公認会計士の場合は監査法人で深い会計知識を活かしながら、意識の高い人は少しずつ英語を学習していくケースも多いです。
USCPAと公認会計士のどっちを取得した方が良い?
USCPAと公認会計士のどちらを取得した方が良いかは、その人の現在の状況や目指すキャリアによって異なってきます。
USCPAを目指した方が良い人
・働きながら難関資格に合格したい
・コスパの良い資格が欲しい
・グローバルに活躍したい
公認会計士を目指した方が良い人
・壁がどんなに高くても一発逆転をしたい
・知名度の高い日本の国家資格で無双したい
・絶対に監査法人からキャリアをスタートさせたい
両方とも、メリットとデメリットはありますので最後はご自身の好みで決めましょう。
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