難関国家資格である公認会計士として働いている時点ですでに転職市場などでの価値は高いのですが会計士にも色々と得意分野があります。
金融に強かったり、情報システムに強かったりはたまた不動産業界の監査ばかりをしていたり。
そんなわけで、今回は転職の有利さも含めて「合わせてとっといて損はないよ!」という資格を紹介しましょう。
USCPAは最強の組み合わせ!
まあ~、「公認会計士+数年の監査法人経験」だけでも十分なくらい会計士は仕事に困らない(会社勤めという意味で)のですが、さらに「10~20%」ほど自分の市場価値を高めてくれる資格を取得するならまずはUSCPAが一番実用的でどこでも使えるかなと。
この試験、全部英語ですが5割が択一式で5割が「シミュレーション」という択一式の延長線上のようなもの(BEC科目だけはライティングが20%出題される)。
なので、会計士試験に合格する人は大体早慶ぐらいの学歴の人たちが多いので「英文を読む=リーディング」にアレルギーがなければ会計用語ということもあるのですぐに慣れます。
試験自体は東京などの主要都市のテストセンターで受験することができますし、1科目につき年4回までチャンスがあるので取り組みやすいです。
さらに、すでに監査法人で働いている日本の会計士試験合格者にとってははっきり言って「楽勝」だとUSCPAの自分は思います。
特に、財務会計論にあたる「FAR」と管理会計が含まれる「BEC」なんかはちょこっと勉強すれば受かるのではないかと(笑)
でも、マジでチャレンジするなら日本会計士なら500時間以内には全科目合格できるかな~という印象です。
普通の人は1000時間はかかりますけどね。
とにかくメリットは、英語力がアピールできることとさらに「会計英語」にものすごく
慣れるということです。
TOEICの勉強では得られない専門知識を身につけることができ、外資系の企業からは相当評価されます(しかも日米の会計士資格のダブルホルダーだし)!
国際業務に憧れるならこれで転職や異動の希望が通りやすくなるでしょうね。
TOEICで英語力アピールに!
もちろん、上記のUSCPAではなくとも広く世間に認知されているTOEICもこれは会計士が取得するにはとても相性の良い資格ですね。
ただ、国際業務や外資系企業など英語力を求められる現場に行きたいのであれば最低でも800点は欲しいところです。
よく、USCPAを取得したい人でTOEICの勉強をした方がいいのかそのままUSCPAの勉強をした方がいいのか迷う人もいるようですがそういう人はまずUSCPAの過去問を読み漁ってみましょう。
最初は会計用語があるので難しいと感じるかもしれませんが、慣れると同じ文章パターン(質問パターン)の繰り返しです。
USCPA取得が目標なら個人的には最初からUSCPAの勉強をオススメしますけどね。
予備校とかでは、まず日本語から英語を交えながら学習もできますし。
金融方面に行きたいなら証券アナリスト!
例えば、現在国内事業部で通常の事業会社を担当しているが「花形の金融部で働いてみたい!」とか「将来的にもっと年収とキャリアアップのために金融機関に転職を考えている」というような人は、少しでもアピール材料になる「証券アナリスト」を取得することをオススメします。
試験は、択一の1次試験と記述式の2次試験で2年間かかりますが金融分野に興味ややる気があることを是非とも形で示したいのであればオススメです。
実は自分もこの証券アナリストは試験も受けて1次試験は受かったんですがその後の2次試験で一度落ちてしまってからはそのまま放置してしまいました。
でも、公認会計士試験に比べたら断然簡単ですし財務諸表分析など会計士ならわざわざ対策しなくても楽勝な部分も多いので働きながらでも200時間はあれば合格ラインに届きます。
おそらく、金融系の資格で一番アピールできるのはこれじゃないですかね。
難関だけど不動産鑑定士でものすごい市場価値がアップするよ!
で最後。
この不動産鑑定士は会計士試験に劣らないくらい難関な資格。
日常生活でも、ビジネスの現場でも不動産の知識があると本当に困らないですからね。
不動産会社も世の中には沢山あるので、不動産会社によくアサインされる人なんかはこれを合わせてとっておくと相当クライアントから信頼されます。
また、不動産ファイナンスや不動産の将来キャッシュフローの予測など外資系金融とかアドバイザリー部門がやっているバリュエーションなどでもこの資格が多いに活きます。
ただ、難易度が上記に挙げた4つの資格の中では一番の難関ですがこれに受かれば「不動産に超詳しい会計士」としてもはやスカウトがきてもおかしくないレベルになります。
前の職場の上司の人で「会計士+不動産鑑定士」のダブルホルダーというすごい人がいました。
一体、いつ勉強してるんだよ・・・という感じです(笑)
以上がオススメ資格になりますが、あくまでも座学での知識であってそれが実務に直結することはないですしそれを企業もわかっています。
でも、面接や書類選考の際に資格があると「この分野へのやる気は少なくともある」という風に見られますのでプラスになることは間違いないですね。
これからの時代、会計士プラスαを目指しましょう!
「USCPAと他の資格の組み合わせってどう?」
「USCPAと一緒に取得するなら何がおすすめ?」
USCPAを取得した後、さらに自分のキャリアに強みを持たせるために別の資格を考えている人もいるでしょう。
今回は、USCPAプラスアルファの有用性と組み合わせるとおすすめの資格について解説していきます。
USCPAは他の資格と組み合わせると強い
USCPAはかなりの難関資格なので取得すると各方面で高い評価を得られることができます。
ただ、USCPAは他の資格と組み合わせてさらに市場価値を上げることも可能です。
米国の公認会計士という資格のため、日本で活躍したいのであれば日本の有名資格と一緒に取得することで相乗効果を得ることができるからです。
USCPAだけでなく、他の資格を組み合わせてダブルライセンスの状態になればできる事の幅が確実に広がるという利点があります。
USCPAとのダブルライセンスがおすすめの資格
USCPAは主に英語と会計を学べる資格であるため、それに対してシナジー効果を発揮したりUSCPAの弱点を補完するような資格を選ぶのがベストです。
ここでは、USCPAと一緒に取っておきたい資格を解説していきます。
簿記1級/2-9
USCPAは広い範囲の会計知識を英語で浅く広く学ぶものですが、簿記1級は簿記のスキルを深いところまで追求する資格です。
そのためUSCPAと簿記1級の両方を取得するのは、とても大きなメリットがあります。
・USCPAの簿記知識の浅い部分を簿記1級で補える
・両方を取得していると転職市場で無双できる
・ある程度深い会計知識が証明できるので監査法人や経理職でさらに信用を得やすい
このように、同じ性質の違う同じ会計資格が組み合わせることによって「会計分野での信用がや市場価値がより強固になる」というメリットが大きいです。
企業としても、USCPAと簿記1級を取得している人材に対しては「英語もできてある程度深い会計知識のある人材」と評価してもらいやすいです。
グローバル企業や大手企業などは、USCPAと簿記1級の両方を持っている人はのどから手が出るほど欲しい人材でしょう。
TOEIC
TOEICとUSCPAは英語スキルという面で共通しているので、USCPA取得後にTOEICを受験することを強くおすすめいたします。
特に、USCPAに合格した直後などはTOEICの点数がかなり上がります。
USCPAの勉強を必死にしていると、TOEICのリーディングパートがすごく簡単に思えるんですよね。
USCPA取得を機にTOEICの点数も900点以上にすることができれば、転職活動などでの英語力に対する信頼も大きく上がることになります。
自分が監査法人時代で一緒に仕事したUSCPAの同僚は、海外留学は一切したことがなくTOEIC950点を引っ提げて当時の監査法人に内定を貰う事ができたと言っていました。
このように、英語力の高いUSCPAというのはやはり価値が高いのです。
証券アナリスト/2-2
USCPAと証券アナリストの組み合わせもおすすめです。
会計と金融は表裏一体の分野なので、
USCPA=会計
証券アナリスト=金融
という具合にとても相性の良い組み合わせとなります。
会計職には金融知識も必要ですし、金融機関では会計知識が当然のように求められます。
経理職であれば、金融知識の必要な財務の仕事にも対応しやすいため証券アナリストがあるとキャリアアップなどがしやすいです。
また金融業界などは、金融に強い会計士はものすごく需要があるため両方を持っていると転職などで大きく有利となります。
両方を取得すれば、理想的なシナジー効果を生み出してくれます。
中小企業診断士/2-13
中小企業診断士との組み合わせも相乗効果がありメリットとなります。
中小企業診断士:経営の知識は身につくが専門性が弱い
USCPA:会計の知識は身につくが経営には弱い
中小企業診断士は経営のスキルを磨くための資格なので、専門性の高いUSCPAとの親和性があります。
USCPAがこの中小企業診断士を取得すれば、数字の分かる経理コンサルタントとして活躍できます。
例えばコンサルティングファームにおいては俯瞰的な視点で業務を遂行しながら、会計領域という専門性を発揮して高いパフォーマンスを発揮しやすいです。
また、独立するのであれば企業を数字から支援できるコンサルタントとして需要も多いでしょう。
数字だけでは企業活動を定性的に理解する事が難しいため、中小企業診断士のダブルライセンスがおすすめです。
税理士/2-8
USCPAと税理士を両方取得するのはかなり難しいですが、実現できれば盤石な体制で活躍が可能です。
税理士は日本においては知名度や信頼性が抜群で独占業務もあるので、USCPAのグローバル性を活かして活躍できます。
税理士なら深い会計・税務の知識があるので、「英語のできる税理士」「税務会計に詳しいUSCPA」として転職市場や独立の際には大幅に有利となり高いポジションを得やすいです。
税理士試験は大変難関な試験ですが一生かけて1科目ずつゆっくりと取得できるので、USCPA取得後に自分のペースで目指す事ができるのが大きな利点です。
公認会計士/2-1
米国の公認会計士を取得した後に日本の公認会計士試験にチャレンジするのもありです。
ただ、USCPAとして働きながら取得するのはかなり至難の業であるためダブルライセンスを実現するのは税理士以上に難しいかもしれません。
それでもUSCPA取得後にJCPAにチャレンジしている人もちらほらいるので、やる気があるならダブルライセンスに挑戦してみるのもアリです。
USCPAよりも難易度が高いため相当厳しい道のりですが、合格すれば日米の公認会計士資格持ちという完璧なステータスを達成することができどんな場面でも必要とされる人材となれます。
MBA/2-20
USCPAとMBAも比較的人気の組み合わせです。
アメリカ一流校などの海外MBAの取得は「超高収入なビジネスパーソン」に直結しますので人気です。
USCPAも高収入業界で需要が比較的高いため、両方を取得すると「鬼に金棒」となります。
MBAを取得するためにビジネススクールに通っている人がUSCPAを取得することもありますし、逆にUSCPAを取得してから海外のMBA留学をするケースもあります。
USCPAの取得を先にした場合は、監査法人や外資系・コンサルなどに勤めてからMBAを目指すケースが多いですね。
「USCPA+MBA」で「経営に精通した専門性のある一流ビジネスパーソン」が完成します。
ダブルライセンスのQ&A
USCPAと組み合わせると有益な資格を解説してきましたが、以下はどうでしょうか?
USCPAと弁護士の組み合わせはどう?
弁護士が会計や英語を学ぶためにUSCPAを取得するのはありだと思います。
弁護士にも専門分野があるので、会計知識と英語力を磨けばさらに弁護士として価値が上がるでしょう。
ただ、USCPAを取得してから弁護士を目指すのはかなり道のりが厳しいので自分のやる気と相談することになるでしょう。
###USCPAと行政書士のダブルは意味ない?
USCPAと行政書士については、両方の取得によって得られる相乗効果はほとんどないかと思います。 公的な書類作成・申請をするのが行政書士の主な業務ですが、USCPAの会計知識と英語はあまり役に立たないような気がしますので個人的にはおすすめしません。
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