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監査法人でアサインされてない日にやること。荷物発送や雑用などの話

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監査法人はアサインベースなため、事務所で待機しているだけの日もあるというのは以前にもちょこちょことお話させていただいたと思います。

事業会社のように自分の席と机があるわけではなく、アサインベースで動くのでクライアントに往査するスケジュールが入っていない日は「ブランク」と言います(法人によって言い方が変わるかもしれませんが)。

スケジュールが入っていない、つまり「空いている」の状態だから「ブランク」なわけです。

では、ブランクの日は実際に事務所で待機しているだけで何も仕事してなくて本当にいいのでしょうか?

結論から言うと、アサインされていない日は「本当に待機してればそれでいい」です。

ただ、全く何もせずに待機しているわけではないです。

やはりブランクというのは、人材が浮いている状態で稼働していないわけですから、監査法人側にとっては何もしていないというのは人件費の無駄な流出ということになります。

なので、できる限りブランクになっている人に仕事をさせるように促しています。

これは法人によっても違いますが、自分がいた中堅監査法人時代は比較的ブランクの日があったため、自分も事務所で待機していたことはちょこちょことありました。

そういう時は、部門全体にメールで自分がブランクなことを伝えて、何か必要があればヘルプでアサインしたりしてもらうようにすることを促されています。

といっても、それをメールで流したところで「じゃあ、今からうちのクライアントの現場に来て~」なんて言われることはあまりないので、大体のケースはどっかのクライアント先の調書をスキャンして上司に送ったり、事務所に届いた確認状の対応をしたり、あとは先日お話した荷物発送業務を行ったりします。

なので、周りにメールで自分が暇だということを周知してそれでも何も業務の依頼がないようであれば、本当に一日PCを眺めて仕事してるフリをしたり会計関連の書籍を読んで勉強したりして定時できっちり帰るということになります。

なので、ブランクの日って、何もないと本当に楽で休みみたいなんですよね(笑)

先輩から聞いた話では、Big4は特に規模がでかくて事務所で待機している人も多いので、誰がいるかわからないことを利用してブランクの日は事務所にも来ない人が昔は結構いたそうです。

これって、完全にお休みですよね(笑)

まあ、今はズルしないようにブランクの人がちゃんと事務所に来てるか確認したりする法人が多くなってきたみたいですけどね。

ただ、あまりブランクが多すぎでも困るわけですよ。

「ブランク=必要とされてない」とも言えるので、ブランクが1週間とか続いたりすると、「自分は周りからの評判が悪くてどこの現場からもお声がかからないじゃないか・・・」なんて不安になってきたりします。

それに加えて、仕事してナンボの人事評価ですからブランクで楽ばっかりしてると人事評価は必然的に低くなってしまう恐れが高いのです。

なので、前もって先のスケジュールで1週間ほどアサインがされてない場合は事前に部門全体にメールしてアサインしてもらうようにお願いするということも大事になってきます。

まあ、これは人それぞれのモチベーションによりけりなんですけどね。

ブランクの日が1週間続いてラッキーと思う人もいれば、社内失業になってしまうんじゃないかと不安になってなるべくブランクを作らないように積極的に仕事をもらいに行く人もいます。

積極的に仕事をもらいにブランクを埋めようと努力する人は結構いるわけで、いわゆる「社内営業」ということですね。

こういうアサインベースの仕事の仕方だと、毎日決まった業務を行うわけではないので、その人が仕事ができるか、もしくは優秀かでその人のアサインスケジュールが決まることが多いです。

そういうのは、インチャージ等がアサイン会議で「この日程でこの人が欲しい!」とかで引っ張りだこになるんです。

一方で、あまり周りとも仲良くなくて特にアサインされてもちゃんと仕事をしない人はだんだんと社内で評判が悪くなってきて、アサイン会議で誰も欲しがらずにブランクだらけなんていう笑えないことになるケースもあります。

中堅監査法人だと、人数が少ないので特に評判がすぐに法人全体に伝わる傾向が強いですね~。

なので、ガンガン仕事を覚えて自分のキャリアを早く積みたいという人は、なるべくブランクの日を作らないで、社内営業をして普段から色んな人とコミュニケーションをとるように心がけた方がいいと思います。

また、頼まれた荷物発送や調書や資料のスキャン等の、いわゆる雑用も迅速に正確に行って、周りの人たちからの信頼を少しでも高める努力をすることをおススメします。

ちなみに、Big4に転職してからは自分はほぼ完全に1年中クライアント先に常駐状態だったのでブランクはなかったです。

だから、たまにはブランクの日が恋しくなっていました(笑)

監査法人の荷物発送業務は奥が深い!?

監査法人はアサインベースで仕事をするために、定期的に複数の担当クライアントに一定期間お邪魔して、会議室等の監査用の部屋を借りてそこで数人~十数人で日々の業務をすることが多いです。

とはいえ、監査業務をするにあたって基本的に貸してもらえるのは監査用の部屋だけであり、監査に必要な用具一式は自分たちで事前に用意しなければなりません。

監査をするにあたって必要なものは、まずは一番大事なのは過去の監査調書です。

監査調書って一杯ありまして、これが重いんですよ(汗)

なので、監査調書は法人にもよりますが最終的には紙ベースで保存するためにでっかいキングジムファイルに数百ページもの監査調書を綴じることになります。

さらにそれが、科目調書用であったり、開示チェックの調書であったりと調書の種類も複数に分かれるので、その種類分だけ重いキングジムファイルがあるわけです。

その他には、監査を行うための文房具一式も当然必要になってきますね。

基本的にはプリンターとかコピーとかは、クライアントのものを使うわけにはいきませんので、こちらで携帯用のプリンター(といってもでかいですが・・)を用意します。

その他、プリンター用の大量の紙だったりそれに付属するアダプター、ノートPCを人数分コンセントにつなげるための延長コード、ホチキス、穴あけパンチ、付箋、クリアファイル・・・とまあ、細かいところを挙げていくとキリがないくらいの監査用具を用意してからクライアント先に行くことになるわけです。

これほどの量だと、当然人数分のカバンに詰め込んだところでたかが知れてます。

絶対入りきらないです、小型プリンターありますし(笑)

なので、通常は大きなスーツケースにそれらの監査用具一式を詰め込んで、クライアントに行く前日や当日の朝に到着するように宅急便でそのスーツケースを発送することになります。

そこで出番になるのが、1年目の新人です。

この荷物発送業務というのは、監査法人に入所した新人が誰もが経験するものです。

で、この荷物発送作業の流れとしては、まずはアサインされていなくて事務所で待機している新人に優先的に連絡が上司からきます。

ちなみに、自分が関わらないクライアントでも荷物発送だけすることは全然あります。

当然、自分が担当するクライアントで一番下の年次なら自分が行うことになります。

その荷物発送を頼んでくる先輩や上司は、たいてい別のクライアント先に行っている最中なので、電話で連絡があります(だいたいその上司たちが荷物発送先のクライアントに行く前日とか前々日とかです)。

そこで荷物発送をする余裕があるかどうか聞かれ(あまりノーと言えませんが・・・)、自分ができるようならメールで詳細に送ってほしいものを後ほど指示されます。

指示された後は、調書室や文房具が色々と置いてある場所から過去調書やプリンターやその他の文房具をせっせと歩き回ってスーツケースに入れていくわけです。

これが回数をこなしていくと、慣れてきてスムーズな作業になっていくんですが、最初はやはり結構時間がかかります。

そのクライアントの調書がどこにあるか、プリンターがどこにあってコンセントやUSBケーブルの型番とちゃんとあっているか、その他の文房具がどこにあるかなど、色々と気を付けなければいけないので結構緊張するもんなんです。

さらに、クライアントの規模や指示してきた上司のさじ加減によっては、前年だけじゃなくてさらに前の年の監査調書も送ることもあるので、スーツケース2つ~3つになることもあったりします。

そして極めつけは、当日電話がかかってきて2~3時間以内に荷物発送をしなきゃ指定の日時に間に合わない状況で頼んでくる人もいたりします(汗)

そんな感じで荷物発送をするだけといっても、一口で片づけられないくらい手間がかかって大事な作業なのです。

そして、入所して最初の頃は色々とミスをします・・・(汗)

多いのが、プリンターと接続するためのケーブルの型が違うものをスーツケースに入れてしまって、いざ先輩や上司たちがクライアント先についてプリントアウトしようと思っても接続できないケース。

「これ、違うケーブルじゃん!」

なんて、電話がかかってきて怒られたりします・・・。

次に多いのは、必要十分な監査用具一式の一部をスーツケースに入れるのを忘れていたというのもあります。

時間のない中、急いでスーツケースに色んな調書や文房具を入れたりしてると、何か一つは入れ忘れたりすることがあるんですよね~(汗)

そして、自分が1度だけやってしまった最悪なミスは、着払いでスーツケースをクライアント先に送ってしまったことがあります・・・。

基本、荷物発送の費用は一旦はこちら側が持つことになるので、着払いで送るというのはまずありえません。

当然、注意されました・・・(事務所の総務の人と現場の上司の両方に)。

とまあ、色々と荷物発送業務は奥が深かったりしますので、監査法人に入所した際はくれぐれも気をつけてください。

会計士の仕事は「最初は荷物発送から」といっても過言ではないくらいです。

※荷物発送業務は法人によってアシスタントの人や別部門が完全に担当していることもあるので全く経験しないことも多いです