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監査法人の売り手市場はいつまで?採用人数の推移などから買い手市場転換を予測

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監査法人、特にビッグ4は会計士やUSCPA試験合格者の8割以上の就職・転職希望者の受け皿として常に期待されています。

監査法人に限らず、どの業界の新卒採用も転職市場も最近までは売り手市場と言われておりこれがいつまで続くのか疑問に思いますよね。

で、この売り手市場が監査法人を含めて買い手市場に転換するのがいつになりそうかというのを採用人数の推移などから予測したいと思います。

2020年現在ではコロナという外部要因で大きく景気に影響が出ているので、もうやばいのではないかと思われますが実際にそうなのでしょうか?

転職市場や新卒採用市場は売り手というよりは普通よりちょっといいくらい

まず、日本全体での雇用状況は最近までは比較的良い方でした。

これは何も、特に深いリサーチをしていなくてもネットニュースだとかテレビの就職活動関連のニュースや新聞、企業の業績の上方修正状況などをさらっと見ていると「あ~、景気は悪くないな~」と感じただろうと。

ま、もちろん都市部と地方では違いはあるかもしれませが新卒だろうが転職者だろうが「不況ではない」ということは確かです。

リーマンショック後の不況で日本は大打撃を受けてからしばらくは「アベノミクス」という言葉も浸透して盛り返しいきそれ以降は大きく経済が揺れ動くことなくほどよく求職者にとって有利な状況になっています。

一部では売り手市場なんていう風にも言われていますし、それに近いものもあるかもしれません。

ただ、不況時と比べて相対的に見て劇的に良くなったというだけで景気自体がものすごく良いというわけでもないのですが・・まあでも緩やかな売り手市場であることは自分も強く実感していました。

監査法人はもう、大量採用などの失敗はしないで上手く調整してくれるだろう

さて、企業全体ではなく監査法人の採用動向に関してはどうでしょうか。

監査法人も、他の企業と同じくお客さんがいて報酬をもらって利益を得る民間企業と変わらないのでやはり監査法人でも人手不足気味で会計士やUSCPAを狙っている人にとっては相当な追い風となりモチベを上げてもよいのではないかと思います。

ただ、監査法人は会計士試験合格者の数によって若干採用数を調整しているところがありますが2008年頃にJSOX業務の爆発的需要を見込んで公認会計士協会が1年で3000人も合格者を排出している年などがあって失敗しましたね。

それと同時に、その直後にリーマンショック不況が起こってしまったので2009年~2012年ぐらいまでにUSCPAや会計士試験に合格した人にとっては本当に運が悪く就職や転職に苦労したと思います。

しかし、上記の通り時間が景気を回復させてくれたのもありまた会計士試験合格者のほとんどがビッグ4などに就職することが可能になっています。

最近までは後述の理由などもあり監査法人の採用意欲は「とても高い」状況となっているでしょう。

多くの監査法人採用担当者が転職エージェントとコラボして募集している件

一昔前ではあまり見られなかった光景なのですが、大手の管理型特化系の転職エージェントが監査法人とコラボしてセミナーや説明会を開催しているのが目立ちます。

リーマンショック後の不況時は、監査法人側は採用を「在学中合格もしくは社会人経験3年以上」という暗黙の了解でしかしていなかったのに今や手のひらを返したように「うちは人で不足なんですよ~!だからエージェントさんの方にお邪魔して応募者を少しでも増やすように頑張りまっせ!」という意気込みが感じられます。

監査法人は良くも悪くも人員の回転率が高い業界なので、監査法人側もただ人が応募してくるのを待っていてはだめだという状況と考えているんでしょうね。

監査法人の採用が活発なのは、まさにこの転職エージェントとコラボしている光景が多いことが何よりの証拠。

説明会にいったりすると、面接まで受けることもできてしまうらしい・・不況の時は「ん?入りたいの?じゃあ、履歴書送ってきなよ・・とりあえずね~!」なんて腕組みをしている採用担当者の顔が目に浮かんだものですが(笑)

リーマンショック後の不況時に比べたら遥かに恵まれているから頑張れ!

まあ、ようするにまとめると「監査法人に入るのも、そこから経験を積んで他の業界に転職するのもしばらくは応募者有利な立場だから試験とか転職準備に向けて頑張っている人はモチベ挙げて頑張れ!」ということです(笑)

会計士とか弁護士とかの士業組って、試験に受かるための壁と試験に受かった後の採用の壁の2段階が用意されてるじゃないですか。

自分は、かなりリーマンショック不況真っ只中のお寒い景気の中で一発逆転狙ってUSCPAの勉強に励んでましたけど今思うと「よくあんな採用される可能性も低いような状況でモチベ保ちながら頑張れたな~、今が同じ状況だったら無理だわ~」なんて思うことがあります。

なので、もちろんスペックにもよりますけど日本の会計士試験やUSCPAの勉強をしようか迷っているまたはしている人たちは「試験合格=内定」と思っていいぐらいのモチベで頑張ってください!

現役会計士で転職を考えている人も、英語とか金融とかの知識をつけて1~2年後には・・・と意気込んでいる人も頑張ってください!

4大監査法人の採用人数の推移から予測できるか?

アベノミクスで景気が上向いてから、2013年以降は監査法人の採用については比較的売り手有利の状態が続いています。

4大監査法人の採用数は大体合計で毎年1000人前後なのですが、試験合格者の人数は1300人程度なので8割程度の合格者を受け入れていることになります。

さらに、中堅以下の監査法人の採用も考慮すると合格者のほぼすえてが監査法人に入所できているということになります。

2018年と2019年の採用数も、それぞれ1000人くらいでした。

・新日本:300人程度
・トーマツ:300人程度
・あずさ:300人程度
・PWCあらた:100人程度

PWCあらたの採用人数が他の3法人と比べて少ないのは単純に規模が小さいからです。

ちなみに、2013年~2017年あたりまでは超売り手のような状況だったので上記の数字にさらに100人ぐらいをそれぞれプラスしたぐらいです。

なので、2018年以降はまあまあバランスが取れて落ち着いている採用状況ということになります。

2020年以降はコロナの影響でどうなるのかというところですが、もちろん採用人数は多少は絞られそうですが今までの反省から過度に採用を抑えることはしないのではないでしょうか。

2009年~2010年には大幅に採用人数をカットしたことで、人手不足になってしまいましたからね。

まあ、その要因の原因は景気の良い2007年~2008年あたりで大量採用してしまってそこからリーマン不況に落ち込んだ落差が激しかったせいです。

なので、最近までは売り手市場気味ではありましたが爆発的に採用したわけではないのでコロナ不況でも2009年~2010年ほどではないと言えるでしょう。

今後の監査法人の採用が買い手市場になる要因と可能性

なので、そこまで会計士の採用人数が絞られるという心配はなさそうですがそれでも今までの採用人数を続けるというわけにはいかなそうです。

しかし、現在も監査法人に勤めている元同僚の話では不適切会計を避けるべく業務量が増えて困っているそうです。

不況で人数を絞りたいけど、監査の質は落とすのはまずいという法人のジレンマが垣間見えるようです。

そういったこと考慮すると、不況状態が数年続いてしまった場合にやはり今までの2割ぐらいは絞られてしまうのではないでしょうか。

早ければ2022年あたりは買い手市場転換になる可能性は高いでしょう。