「USCPAのデメリットって何なんだろう?」
「逆にUSCPAのデメリットってある?」
今回は、USCPAを目指して取得する事で得られるメリットとデメリットの両方を解説していきます。
※筆者:USCPAとして中堅監査法人とBIG4に勤務経験あり
USCPAを取得するメリット
USCPAを目指して取得する事は様々なメリットがあります。
学習中、合格した時、ライセンスの取得後などで色んな良い事が待っているのがUSCPAです。
会計知識&英語スキルが同時に上昇
USCPAは何といっても、会計知識と英語スキルが「同時」に身につくのが最大級のメリットです。
ここが大きく簿記や公認会計士と異なるところです。
現在のビジネスシーンでは1つのスキルだけを突き詰めていくより、スキルを組み合わせて「スキルセット」としてキャリアアップしていく方が多くの場面に対応できるので重宝されます。
・英語はできるけど専門知識がない
・会計には詳しいけど英語はダメ
日本においては、この両方を満たすことができる唯一の資格がUSCPAと言えます。
USCPAの会計知識自体は、簿記1級や公認会計士に比べると浅いのは否めませんが英語を組み合わせることで「英語×会計」として自分の持つ会計知識の希少性を一段上のレベルへ押し上げてくれます。
試験勉強中は「英語スキルを向上させよう」なんていう余裕はなく、とにかく苦労しながら問題を解いていくことになりますが合格してから自分の英語力が大きく上昇した事に気づくのです。
USCPAの英語スキルについてはリーディングのみが必要とされますが、実際のビジネスの現場でも「まとまった英文を早く理解できてレスポンスできる」ということが一番大切になってきます。
ビジネスの周辺知識も身につく
英語と会計力が上昇するだけでもUSCPAの大きなメリットではありますが、その他の知識も否が応でも学習を進めていくうちに身につくことになります。
・ファイナンス
・経済
・IT
・商法
・税務
・経営・財務分析
もちろん、選択科目をどれにするかによって学べる知識の深さに差はありますがコア3科目だけでも上記の基礎知識は身につきます。
ちなみに、社会人が身につけるべきスキルは以下の3つと言われています。
・英語
・会計
・IT
USCPAの学習に取り組むことによって、社会人にマストなスキルが一気に身につくということになりますね。
試験勉強をする事によって様々なビジネスシーンに対応できるスキルや知識が身につくのは大きなメリットとなります。
将来性がある/1-13
10年以上前までは「マイナーな資格」というポジションでしたが、日本で受験ができるようになってからは人気になりUSCPAの認知度はかなり高くなってきたのを感じます。
さらにSNSやyoutubeなど、オンライン環境が今後もさらに進化していくことでコミュニケーションの垣根が少なくなりグローバル化がますます進んでいく事は必至です。
「USCPA=グローバルな資格」というのは間違いないので、USCPAがさらにポピュラーな資格になっていき企業の採用側にとっても認知度が上がり資格の評価が上がっていくでしょう。
現在でもすでに特定の業界や職種などで高い評価となっていますが、USCPAを取得しておけば今後さらに評価される時代がやってきます。
「USCPA!?すごい!」と評価される
これは企業の採用担当に言われる言葉ではなく、USCPAをあまり知らない人に対して説明すると「すごい!」と言われることが多いです。
また、ライセンスを取得して「米国公認会計士」と記載された名刺を取引先の人などに渡すとこういった反応になる事が多く話題のネタにもなります。
世間一般の人はUSCPAという言葉を知らない人がほとんですが、「アメリカの公認会計士資格」というと「アメリカの資格でなんか洗練されててすごそう!」という認識になるようです。
日本の公認会計士の方が難易度が高いというのも世間的にはあまり知られておらず、「英語を操れる難しい会計の専門家」みたいな感じでインパクトがあるのでしょう。
私自身も、友人や知り合った人とふとした瞬間にUSCPAの事を話すと「アメリカの公認会計士!?なんかすごい!」という反応が返ってくることがほとんどです。
「日本の会計士試験の方が全然難しいんですけどね~」と大体返してますが(笑)
難易度に比べてコスパが良い/1-9
USCPAの最大級のメリットの一つとして、「難易度の割に高年収ポテンシャルがとても高い」という事です。
これは自分がUSCPAに合格して転職活動もうまく行ったことで実感しました。
例えばUSCPAの主な転職先の一つである監査法人の場合、入社してからはUSCPAと日本の公認会計士の年収の差はほとんどありません。
公認会計士試験の方が3倍ほど難易度が高いのですが、USCPAで監査法人に入所しても待遇は同じなので少ない労力で監査法人の高年収を得ることができたわけです。
もちろん、監査法人に限らずUSCPAを求めているのは外資系企業や大手グローバル企業にコンサルティングファームなど一般的に高年収な業界となっています。
USCPAと同じくらいの試験難易度でここまで高年収を狙える資格というのは他にないような気がします。
周りのライバルと差別化を図れる
転職市場や社内競争においても、周りのライバルと差別化を図れるというのもUSCPAの魅力です。
日本では英語ができて会計知識も操れる人材が多くはないので、必然的に取得することで周りのビジネスパーソンにない武器をゲットする事になるからです。
例えば、「簿記の知識があって経理ができる人」というと日本には沢山いますが「英語を使って経理ができる人」となると割合はガクンと落ちます。
私が働いていて監査法人内でも同じで、「英語ができる公認会計士」というのはなかなかいませんでした。
USCPAは万人受けする資格ではなく「とがった資格」なので、これが逆にメリットとなり差別化となるのです。
転職市場においても、こういった英語と会計知識を両方持った希少な人材が求められる場面が多いのです。
USCPAのデメリット
USCPAには上記で解説したようなメリットがありますが、「尖った資格」なのでもちろんデメリットもあります。
簿記1級の方が専門性は高い
USCPAはFARという科目で簿記の知識が問われるわけですが、簿記1級に比べたらFARの簿記の難易度は低いです。
とはいえ、簿記2級よりは難しいので1級と2級の間ぐらいのレベルとなります。
USCPAも「公認会計士」ではありますがその割には簿記の知識は1級よりも浅いのです。
そのため、簿記を突き付けて経理畑でずっとやっていきたいということであればUSCPAよりも簿記1級を狙った方が良かったりします。
あまり英語を必要としない企業なら、USCPAよりも簿記1級を高く評価するでしょう。
日本の公認会計士よりはマイナー
USCPAは今後も認知度がグングン上昇していく将来性のある資格ではありますが、やはり公認会計士試験に比べるとマイナーなのは間違いないです。
企業の採用担当者でもUSCPAに対する理解は増えてきていますが、運が悪いと「USCPA?何の資格?どのくらい難しいの?」という反応になる場合もあるかもしれません。
また、公認会計士試験に突破すればほぼ確実に監査法人に入所できますがUSCPAの場合は景気やタイミングなどによってあまり監査法人に必要とされない場合もあります。
「監査法人は公認会計士試験に突破して入所する」というのが昔から主流なので、USCPAはあくまでも少数派です。
そのため、「試験合格=必ず就職・転職」という事であれば公認会計士試験にチャレンジした方が良いかもしれません。
日本で独占業務ができない/1-8
そして、USCPAは日本においては独占業務が全くないのもデメリットです。
公認会計士であれば、日本で会計事務所を開業する事ができますがUSCPAはアメリカの資格なのでアメリカ(ライセンスを持っている州)でしか独立開業ができません。
そのため、USCPAを活用して独立するのであれば会計事務所以外の道を模索することになります。
USCPAを取得してメリットを大きく実感/1-2
USCPAのメリットとデメリットを解説してきましたが、個人的にはデメリットを遥かに凌駕するメリットを自分自身が享受してきたと自負しています。
合格するのには結構苦労しましたが、転職活動に成功して周りと差別化してキャリアップができたので自分の人生が大きく変わりました。
みなさんもUSCPAのメリットとデメリットをご自身で見極め、メリットの方が大きいと思ったなら行動を起こしてみる事を強くおすすめします!
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