「USCPAに挫折する人ってどういう人?」
「諦めたくなる場面ってどういう時なんだろ?」
USCPAは合格すれば大きく人生が変わるポテンシャルのある資格ですが、難易度もそれなりに高いので撤退する人も当然います。
今回は、自分自身の挫折経験も交えながら「USCPAからの撤退」について解説していきたいと思います。
USCPAの挫折率は80%以上!?/1-1,5-9
USCPAは公認会計士試験ほどの超難関ではないですが、「比較的難関」な部類に入ります。
そのため、最初は意気揚々と目指し始めても途中で挫折する人も多いです。
もちろんこれは、USCPAだけではなく他の資格試験でも合格する人の裏で挫折して撤退する人が沢山います。
USCPAの日本人合格率は公表されてはいませんが、全科目に合格する人の割合は20%前後か、それ以下と言われています。
公認会計士試験よりも簡単ですが、簿記2級よりは確実に難易度が高いのでこの20%ぐらいという数字は妥当なところでしょう。
単純に考えると、受験者の80%以上の人は脱落しているという事になります。
もちろん、試験に落ちても何度も挑戦して長い期間を経て合格を勝ち取る人もいるので正確な挫折率は図れません。
それでも、受験者の大半は4科目合格にたどりつかずにそれぞれの理由で撤退をしているのでしょう。
私の周りでも、USCPAを諦めた人がいるので挫折する事は恥ではありません。
##USCPAを諦めた周りの人の理由/1-7
自分の周りでUSCPAを途中であきらめた知り合いは2人いました。
BIG4時代の後輩
BIG4監査法人にいた頃の後輩はすでに公認会計士資格を保有していたにも関わらず、以下の理由で撤退してました。
・英語がほとんどできない
・残業が多くて学習継続が難しい
・公認会計士資格を保有しているから取得できなくても支障はない
公認会計士で監査実務もバリバリやっていたため、FARはなんとか頑張って合格しましたがやはり英語が相当苦手とのこと(それでもFAR合格はすごいですが)。
自己啓発的な感じで目指し始めたので、それほどハングリー精神はなく挫折というよりは「USCPAはもう受けなくていっかな~」という感じでした。
アメリカ留学時代の友人
次に、アメリカに留学していた頃の軽い知り合いは日本に帰ってきてからUSCPAを目指したが挫折したそうです。
・1科目も合格していない
・会計知識は全くなし
・アパレル系の仕事
そこまで親しい友人ではなかったので、知り合いを通して聞いただけですが結構早めに挫折したみたいです。
USCPAは会計初心者でも十分に合格できる試験ですが、それでも挫折する人が大半ということですね。
USCPAを無理だと思った場面
USCPAを諦めて撤退する人は多いですが、どういう理由で「無理だ~!」となってしまうのでしょうか?
これは、私の経験上から言えることは複数あります。
受験資格を得るのが面倒
他の資格試験だとあまりない理由ですが、USCPAの場合は「受験資格を得るのが一苦労」と感じる人も多いです。
USCPAの受験資格を得るには学歴審査や不足単位の取得をしなければなりません。
私はアメリカの大学卒だったため、学歴審査はありませんでしたがそれでも初めて尽くしの手続きだったので受験資格を得た瞬間はまるで試験に合格したかのように嬉しかったです。
まあ、さすがにこの段階でUSCPAから撤退する人は少ないでしょうがそれでも「きつい!」と思ってしまうのも事実です。
自信があったのに落ちた/6-7
これはUSCPAを挫折して諦めるには十分な理由となります。
自分も1度目のUSCPA挑戦で、自信のあったAUDに74点で落ちた時はかなりショックでした。
自信があった科目で落ちると、次に何をすればいいのか分からなくなってしまいます。
本当は冷静になれば改善点は見つかるはずなのですが、自信の科目に落ちたショックでネガティブな考えばかりが浮かぶようになってしまうんですよね。
こういう事がきっかけで、「自分にはもう無理かも・・」なんていう気持ちになってしまいます。
忙しくなった
就職活動や転職活動など、もちろんそれだけにとどまらず自分にとって試験以外で忙しくなってしまい単純に継続する余裕がなくなる事もありますよね。
・科目合格まで行ったが突然残業が増えて学習がストップした
・家庭の事情で勉強を継続していくのが難しくなった
USCPAは一定の勉強スケジュールを確保してリズムを崩さないようにしないと合格は難しいです。
そのため、多忙になり「しばらくUSCPA受験はきつい・・」となり最終的に諦めてしまうケースもあります。
挫折せずに勉強を継続するには?/2-23,8-5
挫折をなるべく感じずにUSCPAの学習を継続するにはどうしたらいいのでしょうか?
「USCPA無理だ~」とならないようにするには、
・学習スケジュールをきつめに作らない
・一発合格前提で計画を立てない
・なるべく朝に学習をする
こういった事で、挫折せずに継続できる可能性は高くなってきます。
何か上手くいかないような事が起こってしまいそうなら、それに対してバッファをもうけてUSCPAにチャレンジするのが良いでしょう。
特に、CPA Evolutionで試験制度が2024年から変わり科目合格の有効期間が延長されたので今後は今までよりも学習期間を長くしてゆるく挑戦できるようになります。
そのため、USCPAの挫折率は全体として今までより減少する事が予想されます。
USCPAから撤退するタイミング
もし、USCPAから撤退するとしたらいつ頃が適切なのでしょうか?
これに関しては、自分が「本当に無理!」と心底思った時が撤退するタイミングでしょう。
ただ、あえて言うなら個人的には「2度踏ん張ったけどダメだった後」というのがベストではないかと思っています。
USCPAに挑戦して、きつい事が1度もなくスムーズに全科目一発合格する人はそこまで多くはありません。
完全合格までに1~2度は不合格を経験する人も多いでしょう。
もちろん、不合格きっかけだけではなく家庭の事情や仕事などの環境の変化で撤退する人もいるでしょう。
そういう時に「学習継続は難しくなりそう・・でもまだ頑張ってみよう!」と1~2回は考え直す事をおすすめします。
USCPAの場合、合格ギリギリラインにいると運の要素も入ってくるので1度~2度の挫折で諦めてしまうのはもったいないです。
「再び頑張り始めたらトントン拍子にうまく行った」という事もあるので、個人的には3度目の正直までは頑張った方が後悔はないかと思います。
一度撤退後に再挑戦する人もいる
USCPAから撤退しても、時を経て再びチャレンジして最終的に合格を勝ち取る人もいます。
なので「撤退=完全な諦め」とは限りません。
その時の自分は「もう無理だ・・完全に撤退しよう」と思っていても、また再挑戦する事もありえるのです。
学生時代に挫折して社会人で合格/1-2
自分がまさに一度USCPAから完全撤退した人間ですが、環境の変化や「諦めずにやりきっていなかった後悔」などがきっかけとなり数年後にUSCPAにチャレンジをしました。
1度目は上手く行かず「受かる気がしない」という感じで辞めてしまいましたが、2度目はトントン拍子に全科目一発合格をして人生が変わりました。
なので、1度挫折して撤退してもまたチャンスは来る事もありますので「撤退しても失敗ではない」と個人的には思えます。
撤退を決意したら考える事
もし撤退を決めたのであれば、そこから考える事やできる事はいくつかあります。
他の資格へのシフトチェンジ/2-9,2-5
USCPAの受験を辞めるのであれば、別の資格にチャレンジをしてみるのも一つの選択肢になるでしょう。
その場合は、以下の資格がおすすめです。
・簿記1級もしくは2級
・TOEIC
・証券アナリスト
会計知識を得たいなら簿記1級を取得すれば評価は高いですし、純粋に英語力を上げたいならTOEICが良いでしょう。
また、USCPAの勉強をしていると金融よりの知識に興味が湧いてくる事もあるので証券アナリストもおすすめです。
これらの資格は難易度や費用という観点などからUSCPAよりはとっつきやすく、なおかつ評価される資格です。
現職でブラッシュアップする
USCPAに今まで使っていた時間を現在の仕事に投入するというのは大いに有効です。
心機一転、新たな気持ちで今の仕事のやり方を考えてみたりブラッシュアップしてみるとまた違った発見があるでしょう。
また、資格の勉強ではなく「現在の仕事のための勉強」をすることで結果的に自分のキャリアアップにつながる事も多いです。
自分の仕事で普段やっている事の勉強なら、頑張った事がそのまま効率的で質の高い仕事に直結します。
「実は自分にとって良いのは資格を取ることではなく、目の前の仕事を頑張る事だった」というケースは結構あります。
転職案件を見てみる/9-8
とりあえず転職候補の案件を見てみるというのもアリです。
USCPAには合格せずとも転職エージェントに登録や相談をすることはできます。
自分が気になっている業界や職種で、USCPAがなくても意外と応募できたりする案件もあります。
「自分の職歴じゃUSCPAがないと・・」と自分では思っていても、他人から見ると案外価値があったりして分からないものです。
登録しなくても案件をなんとなく眺めてみるだけでも、とりあえずやってみる価値はあるでしょう。
###しばらく余暇を楽しむ
撤退した後は、しばらく会社の仕事以外は頑張らずに空いた時間を徹底的に楽しむというのが単純に一番いいのかもしれません。
USCPAで悩んで煮詰まって撤退した直後は、今までの悪い流れをリセットして気持ちや体力を元に戻す期間も必要です。
試験勉強で頑張っていたんですから、逆にしばらく頑張らなくてもいいのではないでしょうか。
思いっきり休んで余暇を楽しむというのも、次のステップへの良い充電になります。
挫折・撤退は失敗ではない
USCPAに挫折したり撤退して諦めることは一つのイベントとして捉えましょう。
撤退する事は人生の失敗ではありません。
また、一度撤退してもまた挑戦したくなる機会が訪れるかもしれません。
私はUSCPAで人生変わりましたが、人生はUSCPAだけじゃないです。
USCPAに挫折しても合格しても、将来は分からないものです。
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