監査法人に入所する人って、2つのタイプがいますよね。

1つは「転職前提」でキャリアの通り道として会計士という道を進んだ人。

もう一つは、「いつかパートナーになってやるぞ」という野心を持っている人。

僕は監査法人時代は最初っからパートナーになるなんぞの野望は持っていませんでした(そもそもUSCPAだったので)。

他のJCPAの同僚の人たちも、最初から意識している人もあまりいなかったような気がします。

監査法人は、色んな業界でやっていくためのステップアップのための組織であってずっといるような場所じゃない。

そんなイメージはずっと僕の中にあります。

そもそも、パートナーになれる人ってどういう人なんでしょうね?

パートナーになるための要件

監査法人では基本的には以下のように役職を上がっていき出世していきますよね。

スタッフ

シニアスタッフ

マネージャー

シニアマネージャー

パートナー

シニアパートナー

基本的には、監査法人は年功序列色が今だ根強いのでマネージャーぐらいまでは長年務めていればいつかはなれるものですよね。

でも、これは一般の事業会社などでもそうですけど従業員から役員になるたの壁が半端なく分厚い!

監査法人は、事業会社に比べると椅子の取り合いみたいなものがあまりないので優秀であればパートナーになれる確率は事業会社で役員になれるそれよりも大きいように思えます。

それでも、パートナーになるには「単に優秀」なだけでは難しような気がします。

パートナーと職員の最大の違いは「現場レベルで動くか」ということですよね。

中堅監査法人だとまたちょっと違いますが、ビッグ4などのパートナーはまず手を動かして調書を作成することがないじゃないですか。

中小だと、たまに変わったパートナーがいて科目調書の作成を一部自分も担当するというところもあったりします。

ただ大手の場合は、クライアントの規模も大手ばかりなので必然的に調書が膨大な量になります。

なので、ほとんどのパートナーの人たちは現場に立ち寄ってリードだけを見てレビュー。

そして、サインまたはハンコを押して事務所にまた戻っていくというイメージが強いです。

まあ、その前にすでにマネージャーがレビューしているのでそれをいいことに中身をみずにただサインだけしていくパートナーもいますけど(笑)

とにかく、パートナーの主な仕事って調書作成や現場で手を動かすことではなく「クライアントとの関係構築」なんですよね。

現場で求められる資質や能力とは違う、もっとコミュニケーションよりの方。

僕たち現場レベルで必要なのは、会計知識はもちろんのことエクセルやショートカートをピアノのように扱える技術。

それとは違い、パートナーに必要なのは監査法人全体を維持していくためのクライアント獲得の営業力とか今あるクライアントをロストしてしまわないだけの関係構築力。

ここが、マネージャーからパートナーに昇格することがいかに難しいかを物語っているように思えます。

パートナーになれないと居場所がない?

さて、昔に比べてパートナーになることが難しくなっている傾向があるのですが外資のコンサルファームなどによくある「アップ or アウト」というのは監査法人にもあるのでしょうか?

これは、PWCなんかはかなり外資色が強いですがさすがに監査法人ではまだそういった厳しすぎる生き残り競争とは無縁な気がします。

実際、パートナーになれる見込みがなくても「居続ける」ことは可能だと思います。

パートナーになれずにマネージャーとしてずっととどまっている人も大手監査法人ではちらほらといましたね。

よく銀行とかである「出世競争に敗れたら島流しの出向」なんてものみたいに酷なものではないでしょう。

古株の人でずっとマネージャーとして生き残っている人たちは、基本的には新人の研修をしたり重要なクライアントの場合は「そのクライアントに失礼のないように研修をする」というような役割を担っていたりします。

ようするに、パートナーの女房役で野球でいうとキャッチャーみたいなもんでしょうか。

パートナーになれなくても、大手監査法人のマネージャーであれば決して安くはない年収なのでずっと居続けるかどうかはプライドの問題になるでしょう。

パートナーになったら待遇はどれくらいなのか

ちなみに、一部の人は入所してからパートナーを目指すべく頑張っている人もいたりしますがパートナーの待遇ってどんなものなのでしょうね。

監査法人時代に、たまにそういうことを同僚の人たちと会話になることがあったんですが「思っているよりは旨味は少ないんじゃないか」という結論に達しましたね。

監査法人のパートナーというのは、株式会社の役員と違って有限責任であったとしても自分のクライアントに対しては無限責任であるわけでかなりリスクはあるんですよね。

その割には、年収が1500~2000万円ぐらいという風に聞いているのでむしろパートナーにならないでシニアマネージャーのままでとどまっていたいという人もいるんじゃないでしょうか。

もちろん、上記年収はパートナーの人に直接聞いたことはないのであくまでも周りの情報を集めた推測でしかないですが。

実際には、パートナーの間でも序列があるような気もするので2000万円以上という人も全然いるのではないでしょうか。

良く考えると、以前に大手の一角がパートナーの早期退職を募集していたが全然集まらなかった・・というニュースをみたことがあります。

早期退職の待遇としては、辞めたあとも年収1000万円以上をしばらく保証するというようなものだっと気がしますがそれでもパートナーで早期退職に応じた人は少なかったようです。

ということは、やはり「大手のパートナーの待遇はもっといいのか?」という推測が成り立ちそうな気がしますね。

3000万円くらいか!?

パートナーになることは共同経営者になること

まあ、お金の話はこのぐらいにしておいてパートナーになることのリスクを今度は考えてみましょう。

思いつく大きなリスクは、次の2点ですね。

・自分がサインしているクライアントについては無限責任
・パートナーになる際に自分も出資しなければいけない

上記でもちょっと触れましたが、パートナーになると監査報告書にサインするという感動的な立場をもらうことができます。

それと同時に、自分がサインをしたクライアントについては全責任をとらなくてはならないというリスクもあるわけですよね。

下手をしたら、粉飾や不適切会計などで訴訟を起こされて賠償金などになったら自分の個人財産を投げ打ってでも支払いをしないといけないなんていうことも制度上はあるわけで。

特に、東芝とかオリンパスとかの事件を見ているとそういうのがいつかはあるんじゃないかと思わせてしまうわけですよ。

これは普段は意識しないですけど、担当パートナーにとっては有事の際は相当冷や汗ものですよね。

もう一つ、事業会社の役員になるのと違ってパートナーの場合は就任するためには自分もある程度の持ち分を出資しなければいけなくなります。

それがいくらなのかは定かではなく、パートナー会議などでの話し合いになるかと思うのですが数百万円は少なくとも一旦監査法人に支払う必要があるのではないでしょうか。

なので、パートナーになる入口の段階でちょっと痛いですよね・・。

数年経験を積んだら自分のキャリアを考えてみる方がいい

長々と綴ってしまいましたが、監査法人でパートナーになるということは自分にとっては殿上人のような感じでした。

昨今の色んな会計問題を知ると、ますますパートナーになりたいと思える人が少なくなっていくんじゃないでしょうか。

それとも、監査法人は大手は組織自体は安定している方なのでずっと勤めていたいものなのでしょうか。

少なくとも言えることは、昇格したり数年ごとに一旦自分のキャリアを考えてみるという姿勢は大切だと思います。

資格保有の監査法人勤務者は、結構内向きな考え方になってしまいがちですが転職市場では想像以上の可能性が広がっています。

少なくとも、数年監査法人で続いている人は常に市場価値を念頭に置きながら仕事した方がいいですね。

監査法人の外に出ると、ものすごく刺激的な世界が広がったという話をよく聞くものなので。

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