今回は、公認会計士やUSCPAとして監査法人に勤務しているとどういう1日を過ごすことになるのか物語風に描いています。
監査業務は基本的にはクライアント企業で仕事をすることが多いので、今回はそういうシチュエーションを選んで経験ベースで1日の流れを描いてみました。
アサインによっては常駐タイプや法人内事務所で仕事することもあります。
監査法人勤務の会計士の1日の流れ(物語風)
R(俺)「今日の往査先は目白駅だったよな、確かクライアントの会社の入り口前で待ち合わせだったな」
目白駅を降りて、10分くらいで監査先の会社に到着。
そこには、すでに別のスタッフAが先に到着していた。
スタッフA「Rさん、おはようございます」
R「あ、おはようございます」
R「今日来るのって、自分とAさんの他には、スタッフBさんとインチャージのCさんの4人でしたよね?」
スタッフA「そうですよ。あ、でも往査初日だから、午後から少しパートナーのDさんがちょっと顔だすかもって言ってました。」
パートナーも来るのか~。
スタッフA「でも、どうせ来てもあの人特に何もしないからスペースだけ確保しとけばいいんじゃない(笑)」
そっか~、パートナーのDさんは確かに全然レビューとかもしないからいても特に害はないか(笑)
そんな小話をしていると、スタッフBさんとインチャージのCさんが到着。
インチャージ「おはようございます。ちょっとギリギリになっちゃいましたね。じゃあエレベーター上がって受付に行きましょうか。あ、Rさん、ちなみに荷物(監査用具一式)っていつ届くの?」
R「あ、先週の金曜に午前指定で発送したので、今日の午前中にはばっちり届くはずです!」
インチャージ「なるほど、了解で~す!」
今日の監査メンバーの中では自分が一番年次が下だから、荷物発送とか監査用具の配置とかは自分が積極的にやらないといけないのだ。
そしてエレベーターで会社があるフロアに着いて、受付に置いてある電話で経理部長に着いた旨を連絡した。
そしてすぐに経理部長が入口にやってきた。
経理部長「おはようございます!ど~ぞ、よろしくお願いします!」
一同「よろしくお願いします!」
経理部長に案内されたのは普段は会議室として使っている部屋。
インチャージ「経理部長さん、では今日から2週間ほどこちらをお借りして業務をさせていただきたいと思いますので、何かお聞きしたいことがあればこの会議室についてる内線でご連絡すればよいですか?」
経理部長「ええ、それでこちらとつながるようになってますのでよろしくお願いします。あと、先週事前にご依頼いただいた資料はほとんどそこに置いてあります。お送りいただいたスーツケースもすでに届いておりますので、そこの隅に置いておきました。データでの資料については、この後メールでお送りいたしますので、申し訳ありませんがお待ちいただければと思います。」
そして経理部長は会議室(監査室)を出ていった。
R「じゃあ、監査スペースを確保して準備します!」
他のメンバーたちがPCを立ち上げている間、下っ端の自分は急いでスーツケースを開けて、監査用具一式を取り出した。
まずは延長コードを取り出してコンセントにつないで、次にプリンターを取り出してセッティング。
過去調書はと、この辺に並べておけばいいだろう。
後の文房具類は机の真ん中に置いておこう。
そして監査のためのセッティングが一通り終えた自分も急いでPCを立ち上げた。
インチャージ「じゃあ、早速科目調書の分担を決めようか~。Aさんは買掛金と税金関連の科目を中心にまずはやってくれる?Bさんは売掛金と営業外損益をとりあえずお願いします。で、Rさんは現預金と借入金、あと固定資産もお願いね。」
R「え?固定資産もですか?」
インチャージ「そうだよ、やったことない?」
R「はい、でもとりあえず過去調書見ながらやるので大丈夫です」
インチャージ「そうね、もしわかんないとこあったら聞いてね~」
こんな感じでみんな一斉に割り振られた業務に早速とりかかった。
静かな中、黙々と午前中は自分の科目調書を進めていく。
そしてお昼の時間に近づいた。
インチャージ「何時ごろお昼行きます?」
スタッフ一同顔を見合わせた。
R「僕はキリがいいのでいつでも大丈夫ですけど」
スタッフA「自分も今でも大丈夫です!」
インチャージ「そっか~、じゃあもう行っちゃおうか!」
お昼のため、一旦経理部長に内線で連絡してお昼で1時間ほど部屋を空ける旨を伝えて退室。
インチャージ「どこに行きますか~?この近くの定食屋が結構美味いだけど、そこでもどう?」
一同「はい、大丈夫です」
そしてプライベートな話を中心にお昼を食べ終わった後は再び監査室へ戻った。
午後はちょっと眠気が来るので、コーヒーを飲みたくなった。
R「すいません、ちょっとコンビニ行ってきます」
インチャージ「あ、それなら自分の分のコーヒーも適当に買ってきてくれる?」
R「了解です!」
お昼食べて監査室に戻る前にコンビニ行ってりゃよかったな・・・。
そしてコンビニから帰ってきて缶コーヒーを胃の中に流し込んで科目調書の作成再開!
最初は比較的早く終わる現預金からと決めていたので、午前中の続き。
できれば今日中に終わらせたいな~。
とりあえず増減分析の質問は経理部長に午前中メールで投げたから、それは待ってればいいか。
あ、確認状との突合を忘れていた(汗)
金融機関宛てに出しておいて確認状はすでに全部かえってきているので、ちゃっちゃと突合完了。
そして、外貨換算の妥当性も検討し終わってので、残るは経理部長に送った増減分析メールが返ってくればとりあえず終わりだな。
よし、次はちょっと重そうな固定資産の調書をやってみるか~。
そして初めての固定資産に四苦八苦しながら過去調書を見てとりあえず進めていく。
インチャージ「そういえば、パートナーのDさん、今日顔出すかもみたいなこといってたけど何にも連絡ないね」
スタッフA「そうですね~、なんかこなそうな感じですよね。もうこの時間だし。」
インチャージ「だね。まあ、あの人来たところで何をするわけでもないから、来ない方がスペースがスッキリしていいよね(笑)」
一同「(笑)」
夕方頃。
インチャージ「Rさん、調書の方はどんな感じですか?」
R「あ、現預金の方は増減分析の質問の回答待ちでそれ以外は終わっています。なので、待ってる間に固定資産に取り掛かりました。」
インチャージ「お~、まあまあ早いね。もう現預金は慣れたもんって感じか?(笑)」
R「そうですね~、この会社は預金口座数が少ないので、そんなに時間かからなかったです。」
インチャージ「まあそうだよね~、固定資産はどう?いけそう?」
R「まあ、過去調書見ながらやってますけど、ちょっとリースの検討がなんかこれでいいのかな~って感じでやってまして・・・」
インチャージ「あ~リースね、そういえばBさん、前にこの会社の固定資産やってたよね?ちょっとRさんに一度この会社の固定資産の検討の留意点を教えてやってくれる?」
Bさん「はい、Rさん、この会社のリース会計の検討はね~・・云々」
そんな感じで先輩に教えてもらいながら18時が過ぎた。
インチャージ「みなさん、今日は初日にも関わらず結構順調に行ってるみたいなので、あと10分ほどしたら撤収しますか~」
一同「はい」
よっしゃ~、今日は早く帰れるな~。
とりあえず現預金は問題ないとして、固定資産も明日か最悪明後日には終わりそうな感じだし、今日はいい感じだな。
そしておもむろに撤収作業を始める。
もちろん、片づけの主導権は自分だ。
調書をスーツケースに入れて、延長コード外して、プリンターも入れて、文房具類も全部入れて鍵を閉める。
インチャージ「入れ忘れとかないよね?(周りを見回して)うん、なさそうだね。じゃあ、帰ろうか。」
そしてインチャージが自ら経理部長に連絡。
インチャージ「あ、どうも~今日はこれで失礼させていただきます~。」
経理部長「そうですか、それではまた明日も引き続きお願いいたします。あ、皆様からいただいた増減理由のご質問は明日中にはご回答できるかと思いますので。」
インチャージ「そうですか、わかりました。それでは、失礼します~」
そして会社を出て、みんなぞれぞれの最寄り駅に散っていった。
インチャージ「それじゃあ~、また明日ここで~」
~完~
監査法人で仕事してると、こんな感じで一日が流れていきます。
もちろん、これは実体験に基づいたフィクションなので、目白駅に監査になんか言ったことないですけどね(笑)
1年中1社張り付きという特殊な状態もあります。
まあ、あくまでも一例なので参考程度に楽しんで読んでもらえたらと思います。