今回は、USCPAに合格して監査法人で勤務した自分が試験概要と受験資格取得までの道のりを解説しています。

USCPAとは?

受験資格を得るには何をすればいいのか?

余すところなくお伝えしていきます。

USCPAとは?

USCPAとは、アメリカの公認会計士資格で「米国公認会計士」というのが日本語の正式な名称です。

日本の公認会計士と違って、名刺に「米国公認会計士」と記載がされます。

USCPAの仕事は、公認会計士として監査法人で会計監査の仕事をしたり一般企業で財務や経理業務の遂行や監督をすることが多いです。

また、会計監査だけでなく税務やコンサルティングの業務をすることも多いので業務の幅は広いマルチな資格です。

日本で働く場合、会計事務所を開業することはできず監査法人の経営陣(パートナー)になることは難しいですがそれ以外に関しては日本の公認会計士と待遇や仕事内容などは大差ありません。

大手の監査法人であれば年収は日本の会計士と同じで、業務内容も多少英語を使ったものが多くなる傾向はありますがやることは日本の会計士と同じです。

なので、試験に合格した後は監査法人で働くか事業会社で経理・財務の仕事につくケースがほとんどです。

資格取得後の転職についても、かなり幅広い分野で需要があるのでキャリアの幅が広がります。

USCPAの試験概要

USCPAの試験は以下の4科目に分かれ、すべての科目に合格すると完全合格となります。

【受験科目】
・FAR(Financial Accounting & Reporting):4時間
企業会計、政府会計、非営利組織会計などの財務会計が出題される
・AUD(Auditing & Attestation):4時間
監査・証明業務と職業倫理が出題される
・REG(Regulatino):4時間
連邦税法、ビジネス法、職業倫理が出題される
・BEC(Business environment & Concept):4時間
経済学、IT、コーポレートガバナンス、戦略立案、ファイナンス、管理会計が出題される

出題形式は択一式選択問題がメインとなり、シミュレーション問題や記述式問題も出題される。

試験はすべて英語です。

※上記4科目は順番問わず1科目ずつの受験も可能で、2科目や3科目同時受験もできます。

もちろん、一度に4科目受験して合格をする人もいるので科目の組み合わせも自由です。

ただし、1つの科目に合格すると完全合格までの有効期限は18か月なのでそれまでに全科目に合格する必要があります。

例えば、2020年8月にBECに合格した場合は18か月後の2022年1月までに他の3科目に合格しなければBECの合格実績が消えてしまうので注意が必要です。

合格基準は各科目とも75点以上となるが、正答率が75%以上というわけではないです。

この辺はブラックボックスなので、個人的な経験では正答率は85%以上を目標にした方が良いでしょう。

試験方式は、CBT(Computer-Based Testing)なので東京か大阪のテストセンターを自分で予約してパソコン上で受験をするスタイル(アメリカのテストセンターでも受験はできます)。

試験日は自分で選べます。

今までは3月、6月、9月、12月は受験不可だったのですが2020年7月からは毎日受験可能となったのでさらに受験がしやすい状況になりましたね。

そのため、不合格になった科目は結果が出次第すぐに受験ができます。

受験料は1科目564ドル(日本受験の場合)です。

USCPAの受験資格

さて、USCPAの受験資格ですが原則として4年制大学卒業もしくは卒業見込みとなります。

また、ビジネスや会計の単位を一定数取得している必要もあります。

ただ、後述しますが受験資格は自分が出願する州によって異なります。

USCPAの場合、試験問題や合格基準はどの州を選んでも全く一緒ですが受験要件やライセンス取得要件は州によって異なるところが日本とは違うんですよね。

出願州の選択が超重要!自分に合った州を選ぶべし!

USCPAに合格するまでの超重要なステップのうちの一つが「受験資格の取得」です。

そのためには、出願する州をしっかりと見極めた上で申し込みをすることです。

といっても、そんなに複雑怪奇ではなく「数ある州のうちから自分の今の状況ならどの州が一番適しているのか?」ということを決めるだけです。

また、現在の状況だけでなく将来的にUSCPAをどう活かしたいかということも出願州を選択する上で重要となります。

とはいえ、将来的にどうするかというのは試験に合格してからその実績を他州に移すということもできるのでまずはUSCPAの受験資格が取りやすい州を選んでおけば良いでしょう。

アメリカの州は沢山ありますが、日本人が出願する州というのは大体決まっており以下から選択する事がほとんどです。

・アラスカ州
4年制大学の学位が必要。そのうち会計15単位が必要。

・モンタナ州
会計24単位とビジネス24単位が必要。受験の段階では4年生大学を卒業している必要なし。

・ワシントン州
4年制大学の学位が必要。150単位の取得が必要。そのうち、会計24単位とビジネス24単位が必要。

・グアム州
4年制大学の学位が必要。会計24単位とビジネス24単位が必要。
※見込み受験制度があり、上記条件を18か月以内に満たすことを前提として学位取得前に受験をすることが可能

・メイン州
4年制大学の学位が必要。会計15単位が必要。

以上が、日本で9割以上の人が出願する州となります。

もちろん、他の州でも受験要件を満たせば出願はできますが多くの州ではアメリカ永住権を持っている必要があったり外国人であってもアメリカに住んでいることが必要となったりであまり現実的ではありません。

アメリカの特定の州で開業をするのでなければ、どこの州でUSCPAを取得しても同じなので自分の状況に照らし合わせて効率的に取得できそうな州に出願しましょう。

4年制大学をすでに卒業している社会人であれば、上記のおすすめ州のどれでもほぼいけるので会計やビジネスの単位を大学時代にどれだけ取得しているかで選べばよいでしょう。

USCPAの受験資格を大学生が得るには?

USCPAの受験資格はほとんどの州では4年制大学卒業以上を求めているのですが、モンタナ州かグアム州を選べば大学在学中でも受験することができます。

自分も、大学在学中に科目合格をして就職活動のアピールにしていました(バーモント州で出願しましたが現在はここを選ぶ意味はないです)。

USCPAは就職活動の際に科目合格でもしているとかなりアピール材料になるので、グアムかモンタナを選んで受験することをおすすめします。

USCPAの受験資格は高卒や専門卒でもゲットできるか?

さらに、大学卒業をすることを前提にしているUSCPAでもモンタナ州であれば高卒や専門卒でも合格までたどり着くことができます。

なので、高校卒業以上であればUSCPAは受験できるということになりますね。

もちろん、モンタナ州でもライセンスを取得する段階では4年制大学を卒業している必要はありますが就職や転職のアピールとしてならライセンス取得は不要ですし仮にライセンスが必要になっても合格して監査法人などで働きながら通信制の大学に通い大学卒業資格を得るという選択肢も十分にありです。

USCPAの受験資格を法学部や理系卒でも取得する方法

USCPAの受験資格として学位と同じく重要なのは、「会計やビジネスの単位取得」です。

「大学卒業してるけど、法学部や理系など会計やビジネスと全然関係ない学部を卒業しちゃってる人はどうなるの?」

大丈夫なんです。

もう一回大学に入り直す必要は一切ありません。

予備校のサービスを利用して、追加単位を取得すれば良いのです。

USCPAの講座を開いている予備校や専門学校なら、まず追加単位取得プログラムもついてきます。

それを利用して、オンラインでテストを受けてビジネスや会計などの不足単位を取得するというのが一般的であり簡単です。

自分も不足している単位があったので在学中に単位取得サービスを利用してオンラインで受験しましたが、いくらでもカンニングできるので簡単です。

少なくとも、高校を卒業していればなんとかなるのがUSCPAです。

USCPAの受験資格を得るためには学歴審査が必要

USCPAの受験資格を得るために必要な重要なステップとして、学歴審査です。

これは、日本の大学を卒業した人は必ずやる必要があります。

要は、USCPAはアメリカの大学の単位を基準に受験資格を考えているので他の国の大学で単位を取得した場合はその単位がアメリカの大学で取得する単位と同等のものかということを審査する必要があるのです。

自分が卒業した大学に依頼をして成績証明書などを取り寄せて、他の必要書類と併せて郵送でアメリカに送ることになります。

また、オンラインでも必要事項を入力して申請することも必要となり学歴審査が完了するまでには1か月~3ヶ月ほどかかります。

この学歴審査は結構センシティブな部分があり、自分はアメリカの大学だったので幸運にもこのステップは不要でしたので詳しいことは予備校の説明会などで聞いた方が良いでしょう。

USCPAの受験申込や手続きの流れ

USCPAの受験を考えてから合格するまでの流れをざっくり説明すると以下の通りとなります。

1.自分の学位と単位取得状況の確認
2.出願する州の選択
3.学歴審査の依頼
4.追加単位の取得
5.受験願書の送付
6.NTS(受験票)受領
7.受験料の追加
8.テストセンターの予約
9.受験
10.合否の確認

各ステップの中で、一番時間がかかるのは学歴審査と追加単位の取得ですね。

追加単位はその人がどれくらい単位が不足しているかで変わってきます。

USCPAの受験資格の取得は、他の資格試験に比べるとちょっと面倒ではありますが1つ1つのステップ自体はそんなに手間がかかるものではないので何もしていないうちから辟易してしまう必要は全くないです。

ちなみに、予備校を利用するとすべてのステップで完全サポートを受けられるので自分で面倒なことはしなくても良くなります。

単位取得状況の把握や適切な出願州の選択などは、オンラインでの無料説明会で担当者がアドバイスしてくれるので現在の状況確認だけでもしたい人は試してみるといいでしょう(スマホかPCがあれば参加可能)。

まとめ

USCPAはアメリカの公認会計士試験なのですべて英語で問題を解いていくことになりますが、それでも日本の会計士試験に比べるとかなり合格しやすいです。

18か月以内に全科目合格さえすれば1科目ずつ合格を狙っていくことができるので、働きながら合格できて就職や転職で大きく逆転を狙える費用対効果の高い資格です。

受験資格を得るために、まずは自分にとって適切な州を選んで足りない単位があれば予備校で追加単位を取得するようにしましょう。

大学在学中や高卒でもUSCPAの受験はできます。

出願州の選択や学歴審査などUSCPA受験の際の手続きに関しては、受験予備校の資料などで把握するかオンラインで受けられる無料説明会に参加して自身の状況把握をしておくことが効率的です。