会計士は会計のプロ、だから財務諸表を分析してその会社の善し悪しを判断するのもお手のもの。

そういうことを考えて監査法人に転職してきた人もいるかもしれません。

でも、実際は自分も実感したことですけど会社の分析スキルが身につくのは監査法人勤務者よりももっと金融寄りの会社だということについて今回は持論を展開していきます。

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確かに監査の仕事では、分析をした上で実証手続きに入るが・・

私は最初は銀行に勤務し、その後監査法人に入所して経験を積みましたが両方の組織でその会社の分析業務が職務の一つになっていました。

で、最初は監査法人に転職して会計士になれば財務分析の完全なプロになれると思っていたんですよね。

しかしながら、監査法人に入所して会計監査をしてからは「あ、同じクライアントの分析でも性質が全然違うな」という風に感じました。

すでに監査法人に勤務している人はわかると思うんですけど、会計監査における分析って「実証手続きをする必要があるかどうか」の分析だったり、数字に粉飾や間違いがないか分析をするわけですよね。

特に四半期レビューの場合は実証手続きよりも分析がメインになって決算短信にお墨付きを与えることも多いので「この会社の株が今後上がるか」とか「この会社の将来性はどうか」などの分析とは性質が異なっていたのを痛感しました。

いわゆる、財務分析を中心にするよりも分析的実証手続きを中心にする場面も多いので監査法人に勤めたからといって株価の値動きがより予測できるようになったりするわけではないです。

会社の将来性や資金繰りなどがどうかという分析はちょっと違う

これはあくまでも銀行と監査法人の両方に勤めた自分なりの意見ですけど、資金繰りとか会社の将来性について評価する能力というのは銀行・証券会社などの金融機関や格付け会社にいる人たちの方が一般的に優れていると感じました。

もちろん、監査法人にいた頃でも泊まりの合宿などで財務分析のやり方をマネージャーやパートナーから適宜教えてもらえることもありましたがあくまでも単発の財務諸表分析の研修が基本でした。

まあ、監査法人でも監査を受託するにあたって簡易的な財務分析をするんですけど本当に「簡易的」なもので終わることが多いです。

なので、監査法人においては最低限の分析で終わることが多いので「会計士=財務・企業分析のプロ」というわけではないことは頭に入れておいた方が良いと思います。

ただ、財務諸表(試算表)の監査をするにあたって各勘定科目の性質などは徹底的に理解する必要はあるのでそういう意味では財務分析の基礎は固めることはできます。

例外的には、監査法人の金融部に所属すると「自己査定監査」を必ずすることになるのでその際は財務分析をしっかりと行った上で金融機関の自己査定結果のチェックをするので金融部に所属している人は財務分析の能力は他の部門に比べて高い傾向があります。

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銀行や格付け会社は貸した金が返ってくるかの分析をする

で、会社の将来性を見極めたり、貸付金や発行された社債の償還力が十分あるかどうかにつついての分析能力は一般的には銀行・証券や格付け会社などに分があります。

自分が銀行で融資関連の仕事をしていた時は綿密に財務諸表を中心に財務分析を行っていました。

主に「資金使途」と「返済原資」について詳細を確認していましたね~。

その際は資金繰り表や資金運用表とにらめっこして貸した金がちゃんと返ってきそうか上司の判断を仰ぎながら分析していました。

格付け会社については、自分は勤めたことがないのでわかりませんが格付け会社でも銀行と同じように「債務の返済能力があるかどうか」についての分析が主になるので財務分析のプロと言えるでしょう

会計監査における分析は、あくまでも間違いや粉飾を見つけるための分析

ということで、ここまでは「基本的には会計監査の際のクライアントの分析業務と金融機関や格付け会社での企業分析は性質が違う傾向にある」ということについて言及しました。

なので、重ねての所感になりますけど個人的な経験では会計監査での企業分析と金融機関などでの企業分析は性質が違うため、財務分析の本当のプロになりたければ銀行や証券会社に転職するなり、格付け会社に転職するのが一番かと思われます。

また、その会社の財務状況をしっかりと調べ上げるという意味では投資ファンド(特にPEファンドなど)なども行っているのでそっちに転職するのもありだと思います。

ただまあ、「財務分析をする=会計の知識が必要」という構図に変わりはありませんので会計士として各勘定科目の性質や特徴の知識を身につけたことは一切無駄にはならないです。

財務分析の大元は、会計知識があることが大前提ですからね。

なので、今回は会計士になれば必ずしも財務分析は完璧というわけではないというお話でした。

以上!

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