会計士が資格取得

公認内部監査人の難易度と転職での評価。「内部監査部門での需要は大きい」

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かなりマイナーな資格ですが、公認内部監査人というまさに内部監査部門で働いている人もしくは内部監査の仕事をしたい人向けの資格があります。

公認会計士にプラスアルファな感じで取得するという位置づけではありますが、やはりマイナーな分特定の部門では評価してもらえます。

今回は、この公認内部監査人の資格について、難易度や転職での評価なども含めて全般的に言及していきたいと思います。

公認会計士よりも公認内部監査人(CIA)の難易度は低く取得しやすい

この公認内部監査人というのは国際的には「Certified Internal Auditor」と表記されCIAとも略されたりもします(あのアメリカのCIAみたいでカッコいいですよね(笑))。

実際、試験は日本のテストセンターでいつでも科目を選んで日本語で受けることができますが世界190か国以上で実施されて認められている国際資格なのでグローバルな視点で考えるとかなり重宝する資格となっています。

試験の難易度的には、日本の会計士試験よりは遥かに取り組みやすくUSCPAよりも若干楽といった感じでしょうか。

それでも半年以上の学習はする必要があるケースが多いので「ちょちょっと1~2か月勉強して・・・」というのはさすがに無理です。

ただ、この試験はパート3に分かれているのですが科目合格制になっており問題の形式もすべて選択式になっているのでひたすら過去問などの演習をすれば合格がその分近づきやすい資格でしょう。

公認内部監査人(CIA)の試験概要

公認内部監査人試験の受験資格と試験範囲は以下の通りとなります。

【受験資格】
①四年制大学を卒業
②短期大学または高等専門学校(高専)を卒業されており、5年以上の実務経験があること
③7年以上の実務経験があること

【試験範囲】
Part1:内部監査に不可欠な要素
A.内部監査の基礎
B.独立性と客観性
C.熟達した専門的能力および専門職としての正当な注意
D.品質のアシュアランスと改善のプログラム
E.ガバナンス、リスク・マネジメントおよびコントロール
F.不正リスク

Part2:内部監査の実施
A.内部監査部門の管理
B.個々の業務に対する計画の策定
C.個々の業務の実施
D.個々の業務の結果の伝達および進捗状況モニタリング

Part3:内部監査のためのビジネス知識
A.ビジネス感覚
B.情報セキュリティ
C.情報技術(IT)
D.財務管理

【出題形式】
四肢択一式

択一式で、会計士試験や監査法人内の実務でやっている事がかなりリンクするので現役であればかなり取り組みやすく取得しやすい資格です。

ちなみに、合格後に資格登録をするためには実務経験が2年必要となるが監査法人で普通に仕事をしていれば自動的に満たしていることがほとんどです(内部統制や監査経験など)。

内部監査が機能していることが会社を支えるので非常に重要な職務

公認会計士として監査法人で仕事をしていると、あくまでも外部監査サービスを提供する側なので当事者になれないわけです。

それは別の記事でも書きましたが、企業の内部監査人になると自分が会社を変えているという実感を得やすいです。

会社が不正やコンプライアンス違反をしていないかというのは、外部からチェックを受けるのでは遅いんですよね。

何事も周りに知られて初めて反省してやり直すよりも、内部で指摘して改善した方が遥かにダメージは小さいですよね。

企業規模がでかくなって大手になればなるほど、不正やコンプライアンス違反という観点で日々業務を見ている内部監査部門の役割は重大とも言えます。

経営の根幹に関わる部分でもあるため、給料などの報酬が高めに設定されている側面もあります。

以前に比べて、全体的に社会の風潮として内部監査部門の独立性が強くなってきているのでチェック機能が働きやすい方向に向かっています。

とはいえ、内部監査手法のデザインだけが存在して機能的に実行されていない組織というのも多々あり、それが世間で知られる不祥事やコンプライアンス違反につながっているわけですよね。

適切な内部監査機能が働いていれば防げた会社の利益は沢山あるので、内部監査人が大きな仕事をしているのは間違いないです。

会計士資格と一緒に公認内部監査人(CIA)取得すると転職市場評価は上がる

日本の会計士試験やアメリカの会計士試験(USCPA)に比べると取り組みやすくなっているので、現役の会計士で会計監査に従事する人などがプラスアルファという形で自分の強みを見出すために取得する人も結構多いです。

それに、この試験は財務会計や管理会計の問題なども出題されるので会計士試験に合格している人にとってはその部分はほぼ楽勝かと思います。

一昔前は、公認会計士の資格を持っているというだけで「うちわを仰いでぼろもうけな商売だぜ~」的な感じもできていたのですが今は監査法人などに勤めている人も含めて会計士資格プラスアルファな強みが求められる時代にもなっています。

そのため、金融方面に強くなるために証券アナリストを取得したり、国際的な業務に強みを持たせるためにTOEICなどの自己研鑽に励んでいる会計士の人たちも大勢います。

その中で、会計監査を知っている内部監査人として転職を狙っているのならやはりこの公認内部監査人の資格を取得することで「多方面の監査」という意味で転職市場で経営にかかわる業務だったり内部監査の仕事としてオファーが来たりすることもあるでしょう。

単独でも、内部監査の仕事に転身する上でプラスにはなる

もちろん、会計士資格と一緒じゃなくこの資格単独でも難易度はそれなりにあるので内部監査関連の仕事につきたい学生や社会人の方はこのCIAの試験に合格しておいた方が良いのは言うまでもありません。

ただ、日本語での試験ではあるのですがボリュームもそれなりにあるのでスクールでの学習というのも視野に入れておいた方がいいでしょう。

「公認内部監査人、略してCIA」

「私、CIAです」なんてちょっと言ってみたくないですか?(笑)

試験の内容がUSCPAと同じように結構幅が広いので、会計やファイナンス、ITや経営に関する問題が出題されます。

なので、ピンポイントで内部監査の仕事を狙っているわけではない人でも国際的な資格をとりたい場合はこの試験を狙ってみるのもいいでしょう。

会計監査と内部監査は違う

ちなみに、同じ監査でも会計監査と内部監査というのはどれだけ違うのでしょうか?

自分は会計監査の仕事しかしたことがなく、内部監査の実務経験はないのですが他の人の話を聞いているとかなり違うようです。

一言に「監査」といっても、「業務」に関わる監査なのか「数字」に関わる監査なのかといったところで大きく違うわけですね。

当然、会計監査は「数字」に大きく関わる監査なので、内部監査の方は会社内での不正のチェックなどはもちろんのことなのですが「より業務を効率化するために経営者的な観点から監査を実施する」のです!

ようするに、会計監査に比べて業務監査というのは業務の流れやフローについて日々検証を重ねていき時には全社的な観点から業務フローなどの変更について経営陣に具申するという大事な役割を持つこともあります。

実際、内部監査部門を経験してから経営陣の仲間入りをするサラリーマンの人たちも結構いますからね~。

もちろん会計士も内部統制の監査をするので、ある程度は業務フローに関しての知識はあります。

ただ、CIAに比べるとやはり薄い知識なので内部監査人として高い給料と将来的なキャリアプランを見据えるならこの資格を取得しておくと転職市場で「特定の部門」を積極的に紹介してくれるようになるでしょう。

内部監査をするというのは、経営にかなり入り込むと思っていただいても構わんよ~。